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2006 年度 実績報告書

サーカディアン・カルシウムリズムを支配する体内時計分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16300104
研究機関富山大学

研究代表者

池田 真行  富山大学, 大学院・理工学研究部(理学), 助教授 (10288053)

キーワード脳スライス培養 / 時計遺伝子 / 視交叉上核 / FRET / 細胞内カルシウム
研究概要

体内時計細胞にみられるサーカディアン細胞質Ca^<2+>濃度リズムの発生に関与する時計遺伝子の機能を明らかにするために、Bmal1およびそのドミナントネガティブ体をコードする遺伝子を、CMVプロモーターとXpressタグを含む発現ベクターに組み込み、NIH3T3細胞や培養SCNニューロンに強制発現させた。なお、NIH3T3細胞への遺伝子導入は、通常のリポフェクション法を用い、SCNニューロンへの遺伝子導入には遺伝子銃を用いた。それぞれのタンパク質の細胞内局在や発現の様子は、抗Xpress免疫染色を行なうことにより解析した。その結果、ネイティブBmal1の強制発現は、24時間以内にBmal1タンパク質の細胞核凝集を引き起こし、遺伝子導入後約3日の間、細胞核で高いレベルに維持されることが明らかとなった。また、この間は、SCNニューロンのサーカディアン細胞質Ca^<2+>濃度リズムが抑制された。一方で、ドミナントネガティブ体の強制発現は、細胞質での一時的な局在に引き続き、細胞核への移行が起きるが、その期間は1週間以上におよび、より長期の細胞質Ca^<2+>濃度リズム抑制作用があることが明らかとなった。なお、ドミナントネガティブ体の慢性発現は、神経細胞死を引き起こす場合も観察された。本研究期間では、さらに、Bmal1遺伝子発現に関与することが報告されている核内オーファン受容体RORαの遺伝子欠損マウスを用いて、SCNニューロンのカルシウム濃度リズムを解析した。その結果、Bmal1ドミナントネガティブ体の強制発現と同様のリズム抑制が観察された。これらの結果は、体内時計ニューロンの生理活動リズム形成に、Bmal1の正常な発現リズムが必須であることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Linkage between cellular oscillations and behavioral circadian rhythms from Drosophila to mammals2007

    • 著者名/発表者名
      Ikeda M
    • 雑誌名

      J. Physiol. Sci. 57

      ページ: S63

  • [雑誌論文] Over-expression of dominant negative Bmall inhibits circadian cytosolic Ca^2+ rhythms in cultured suprachiasmatic nucleus neurons2006

    • 著者名/発表者名
      Ikeda M, Kojiya T
    • 雑誌名

      Neurosci. Res. 55

      ページ: S163

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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