研究課題/領域番号 |
16300109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)先端医療振興財団 |
研究代表者 |
徳元 康人 財団法人先端医療振興財団, 細胞組織工学利用医療支援システム研究部, 主任研究員 (70261170)
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研究分担者 |
藤川 浩一 兵庫医科大学, 生理学第二講座, 講師 (40312136)
山本 英幸 兵庫医科大学, 生理学第二講座, 助手 (70373529)
金村 米博 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究員 (80344175)
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キーワード | オリゴデンドロサイト / R71 / 分化タイマー / MALDI-TOF MS / 分化タイミング / 前駆細胞 |
研究概要 |
オリゴデンドロサイト前駆細胞内で分化誘導刺激に応じて発現活性が上昇するR71遺伝子産物の解析を行った。R71遺伝子の転写産物は典型的なmRNAの構造を取っており蛋白質コードするものと思われた。ゲノム構造解析の結果、R71遺伝子にはイントロンに相当する配列が無く、発現にRNAスプライシングを介する必要が無い事が分かった。cDNAの塩基配列からR71蛋白質のアミノ酸配列を予測し構造解析を行ったところ既知の機能ドメインを持たない、親水性小型球状蛋白質を作るらしい事が分かった。更に解析を進めるべく、R71蛋白質の表面に露出すると予想された領域2ケ所に相当するペプチド配列を化学合成し、それぞれをニワトリに免疫して抗R71ポリクローナル抗体を2種類作成した。作成した2種類の抗体を使ってR71遺伝子のmRNAレベルの発現をノーザンブロットで確認した臓器における、R71蛋白質の発現をウエスタンブロットで調べたが、作成した2種類の抗体のいずれもR71遺伝子の塩基配列から予想される分子量に相当する特異的なバンドを検出できなかった。2種類の抗体ともにそれぞれ作製に用いた合成ペプチドには特異的に反応するので、抗体は出来ていると思われる。現在、なぜ抗体が反応しないのか検討中である。レーザーイオン化質量分析計(MALDI-TOF MS)を用いて、オリゴデンドロサイトの分化タイミング決定に関わる新たな蛋白質を探索する試みを行った。P7ラットの視神経より純化したオリゴデンドロサイト前駆細胞をBS培地中で培養し、6日目、10日目、17日目でそれぞれ細胞を回収し分子量3〜20KDの間にあらわれるピークを観察した。その結果、計278のピークが見られた。これらのうち、培養日数に特異的に見られるピークが5、培養時間依存的な増減の変化を示すピークが11あった。現在、各々のピークを解析中である。
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