研究課題
基盤研究(B)
平成18年度までの予算に依って実施した、甲状腺ホルモン非添加培養条件下におけるオリゴデンドロサイト前駆細胞の遺伝子発現パターンのDNAチップデーターについて詳細な解析を行った。DNAチップデーターは培養開始より4、6、8、10、45日後の6点を取り、4日後の遺伝子発現強度を基準として、それよりも2倍以上の発現増大を示した遺伝子群と、0.5倍以下の発現減少を示した遺伝子群をまず求めた。その結果、調査した30662遺伝子中、時間依存的に発現増大を見た遺伝子212個、時間依存的な減少を示す遺伝子437個を、それぞれ同定した。次に、これら発現パターンに時間依存的な変化が見られる遺伝子の発現カーブを図式化し、オリゴデンドロサイト前駆細胞の培養時の時間依存的な甲状腺ホルモンに対する応答性変化と良く一致する遺伝子を、図形データーマイニングソフトを用いて集団から抽出した結果、最も有力な候補遺伝子2種類(Pax6とSix6)まで絞り込む事に成功した。Pax6とSix6は、双方ともホメオボックス遺伝子である。ホメオボックス遺伝子はDNA結合ドメイン(Homeobox)を有する転写因子をコードしている。一般に、ホメオボックス蛋白質はそれ自身単独では遺伝子発現を誘導する能力は無いが、他の転写因子と共同して時期特異的、場所特異的な遺伝子発現をコントロールする。甲状腺ホルモン受容体もまた、それ自身がDNA結合能を持つ転写因子であるので、これらホメオボックス蛋白質が甲状腺ホルモン受容体による転写調節に関わっている可能性は高いと考えた。そこで、Pax6とSix6のcDNAをレトロウイルスベクターを用いて、オリゴデンドロサイト前駆細胞に導入し強制発現させて甲状腺ホルモンに対する感受性の変化を見たが、過剰発現では目立った効果を見る事は出来なかった。今後、Pax6のdominant negative formを導入し、Pax6機能抑制がOPCの分化タイミングに与える影響を見たいと考えている。
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