研究課題/領域番号 |
16300111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
遠山 育夫 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (20207533)
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研究分担者 |
木村 宏 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 教授 (40079736)
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助手 (20324585)
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キーワード | アセチルコリン / コリン作動性神経 / alternative splicing / 抗体 / 学習 / 記憶 |
研究概要 |
コリンアセチル基転移酵素(ChAT)は、コリン作動性神経の神経伝達物質アセチルコリンの合成酵素である。我々は、ラットの翼口蓋神経節からChATの新しいサブタイプを発見し、pChATと命名した。本研究は、ヒトおよびサルの脳に発現しているpChATの遺伝子構造を明らかにするとともに、その機能的意義を探ることである。1年目は、ヒトおよびサルの脳、胎盤から作製したcDNAを用いて、コリンアセチル基転移酵素(ChAT)の遺伝子構造を調べるとともに、ヒトpChAT抗体の作製を行った。また、ヒト培養細胞にcChAT、pChATを強制発現させて細胞内局在の解析を行うとともに、色々な刺激を与えた後に、その動態をリアルタイムで解析した。その結果、cChATとpChATとの間で、細胞内局在や刺激に対する反応に明らかな違いが認められた。この成果を国際学術誌Neurochemistry Internationalに論文発表した。また、これまで我々の作製したラットpChATに対するポリクローナル抗体は、トリからサルまで、多くの哺乳類のpChATを認識することが解っていた。しかしながら、ヒトのpChATを認識するかは不明であった。本年度の研究でこのpChAT抗体が、ヒトのpChATも認識することが明らかになった。この成果は、平成16年8月に京都国際会議場で開催された国際解剖学会議シンポジウムで報告した。また、新しくニホンザルのcChATの遺伝子構造を決定した。この成果は平成17年度の日本神経科学会総会で報告する予定である。
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