研究課題/領域番号 |
16300112
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩城 徹 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (40221098)
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研究分担者 |
鈴木 諭 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (90294917)
佐々木 健介 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (80380616)
飯田 三雄 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00127961)
清原 裕 九州大学, 大学病院, 講師 (80161602)
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キーワード | 認知症 / アルツハイマー病 / 脳血管性痴呆 / レビー小体型痴呆 / 有病率 / 痴呆 |
研究概要 |
久山町連続剖検例より認知症の脳病理的変化とともに臨床事項を再評価し、発症時と死亡時の各認知症の頻度を明らかにした。1986年から2002年の間に死亡した久山町住民で臨床上痴呆と診断された273例より、九州大学で剖検した195例(剖検率71.5%)の痴呆に関する脳病理所見を検討した。痴呆の有無はDSM-III-Rで判定した。病型診断として、アルツハイマー病(AD)の臨床診断にはNINCDS-ADRDA診断基準を、病理診断にはCERAD診断基準(definite例)とNIA-RI診断基準(high likelihood例)を用いた。レビー小体型痴呆(DLB)、脳血管性痴呆(VD)の臨床および病理診断にはそれぞれDLB国際ワークショップ診断基準、NINDA-AIREN診断基準を用い、DLBは皮質型以外にも辺縁型・脳幹型も含めた。臨床診断と病理所見の不一致例は、臨床病理検討会を施行し発症時および死亡時の痴呆の病型診断を行った。死亡時の病理学的変化は、VDのみ53例(27%)、ADのみ50例(26%)、DLBのみ9例(5%)、DLB+AD34例(17%)、AD+VD15例(8%)、DLB+VD12例(6%)、DLB+AD+VD6例(3%)、神経原線維変化型老年痴呆(SD-NFT)のみ8例(4%)、DLB+VD+SD-NFT1例、VD+SD-NFT1例、その他8例(4%)であった。混合型の症例も含めADの所見を有する痴呆は105例(54%)と最も多く、次いでVD88例(45%)、DLB62例(32%)であった。痴呆発症時の病型別頻度も、死亡時と同様に混合型も含めAD、VD、DLBの順に多く、DLBの多くはADを合併していた。一般住民における痴呆例の病理学的変化は、ADが最も多く、ついでVD、DLBの順であった。
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