研究課題
基盤研究(B)
脳の構造的基盤である神経回路網形成過程において、軸索先端の成長円錐の形態及び運動機能が障害されると、脳は正しい神経回路網を形成できなくなり、脳機能に異常を生じる。本研究では、成長円錐の形態及び運動機能に直接関与するアクチン細胞骨格の制御機構を解明するために、制御される側のアクチンフィラメントに着目し、その物理的・生化学的性質を決定するアクチン結合蛋白ネットワークの変化を、初代海馬培養神経細胞を用いて明らかにした。種々の発生過程め培養海馬神経細胞におけるアクチン結合蛋白ドレブリンの成長円錐内分布を調べた。培養開始後、6時間、12時間、36時間、3日、7日後に固定し、免疫蛍光染色法により局在を解析したところ、発生過程stage2においてはtransition領域に分布していることがわかった。また、Neutabin 1の成長円錐内における分布はドレブリンの分布と類似していることがわかった。培養開始後36時間後の神経細胞軸索成長円錐を用いて種々のアクチン細胞骨格関連蛋白の免疫系光染色を行い、それぞれの特徴的な分布を明らかとした。微小管はtransition領域には進入しなかった。ドレブリンEとドレブリンAの局在を区別して解析するためにドレブリンA特異抗体の開発を行った。ドレブリンA特異的な挿入配列に相当するペプチドに対して抗体を作製し、同ペプチドによりエピトープセレクションによりドレブリンA特異的抗体を作製することができた。その結果成長円錐にはドレブリンEのみが存在することわかった。また、この抗体を用いて、移動中の神経細胞にはドレブリンEのみが発現しており、この性質を用いることにより成熟脳での移動中の神経細胞の同定法を開発し、ラット梨状葉に移動神経細胞が存在することを示した。また、RNAi法を用いてドレブリンの発現をノックダウンした場合に軸索の成長が抑制されることを示した。
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