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2004 年度 実績報告書

高血圧自然発症マウスの責任遺伝子座解析

研究課題

研究課題/領域番号 16300135
研究種目

基盤研究(B)

研究機関筑波大学

研究代表者

杉山 文博  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90226481)

研究分担者 國田 智  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10195472)
深水 昭吉  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60199172)
キーワードマウス / 高血圧 / QTL / 近交系 / 肥満 / インスリン抵抗性 / 糖尿病
研究概要

ヒト高血圧の9割は原因不明の本態性高血圧である。その原因は環境因子と遺伝因子が作用する多因子疾患であり、それら複数の遺伝子間、または遺伝子と環境間の相互作用によって高血圧が生じると考えられている。従来、高血圧自然発症ラットでの原因遺伝子探索は行われていたが、マウスでの研究は十分でない。そこで、15系統の近交系マウスにおいて収縮期血圧(SBP)と拡張期血圧(DBP)を検討し、マウス高血圧に関連する遺伝子のQTL解析の可能性を検討した。
15系統のSBPとDBPの両形質は、NZO/HIJで最大値(132.4±3.1mmHg)、C3H/HeJで最小値(100.5±3、2mmHg)を示し、その他の系統はこの2系統の間で連続的に分布しており、SBPとDBPは多遺伝子た支配されている可能性が示唆された。次に、NZOにおける高血圧形質を遺伝学的に解析するため、NZOとC3Hを交配し、F1個体を作製、F1同士の交配でさらにF2を224個体作製した。10週齢でのF1雄のSBPを測定した結果、その平均はNZOとC3Hの中間(CNF1:115±4、NCF1:117±5mmHg)に位置した。またF2雄において、SBPに対する個体数のヒストグラムは、連続的な正規分布を示した。したがって、この高血圧形質は多遺伝子による支配を受けていると考えられた。さらに、NZOは肥満やインスリン抵抗性を伴うII型糖尿病を呈することが知られており、高血圧との関連が推測された。そこで、SBPに加えて12週齢でのF2個体の体重・体長を測定し、Body Mass Index(BMI)(g/cm^2)を算出して、さらに血漿中インスリンおよびレプチン濃度を測定した。その結果、BMIとレプチン、レプチンとインスリン間において相関関係が認められ、肥満とインスリン抵抗性が連鎖していることが確認された。しかしながらSBPとBMI、レプチンおよびインスリン間においては相関関係が見られなかった。肥満やインスリン抵抗性は高血圧発症に関わると考えられているが、NZOの高血圧遺伝子は肥満やインスリン抵抗性とは独立し存在する可能性が示唆された。これらの結果よりNZOとC3H子孫は、高血圧QTL解析に有用であり、ヒト本態性高血圧の解明に貢献すると考えられる。現在QTL解析を実施中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Blood pressure in 15 inbred mouse strains and its lack of relation with obesity and insulin resistance in the progeny of an NZO/HILtJ x C3H/HeJ intercross.2004

    • 著者名/発表者名
      Tsukahara C et al.
    • 雑誌名

      Mamm Genome 15

      ページ: 943-950

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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