研究課題
基盤研究(B)
本研究の科学研究費交付期間内で以下の1〜3の課題について検討した。1.M期同期化法の再現性検証:2003年に発表されたQi zhouらの原著に従い、M期に同期化した体細胞核の注入と第二減数分裂中期核板の除去を素早くワンステップで置換するマニピュレーション法を体得し、再構築ラット胚の個体発生能を検証した。しかしながら、2細胞期胚を含む再構築胚を偽妊娠雌ラットに移植したが、21日後の帝王切開で生存胎仔はおろか着床痕すら確認できず、M期体細胞核の全能性をQi Zhouらの手法によって証明するには至らなかった。2.自発的活性化の抑制とドナー核の活性化:ラット卵子の自発的活性化の機序を解明するとともに、細胞周期にともなうリン酸化、ユビキチン化カスケードに関連する因子を抑制する物質を用いて、効果的な自発的活性化の抑制条件を決定した。染色体凝集に重要な役割を果たす卵成熟促進因子(MPF; P34^<cdc2>kinase)のラット卵子内での動態を調べたところ、除核した卵子ではp34^<cdc2>kinase活性が著しく低下し、まったくPCCが誘起されなくなることがわかった。またプロテアソーム抑制剤MG-132で処理するとp34^<cdc2>kinaseの急激な低下は抑制され、未処理区と比較して顕微注入核のPCC誘起率を有意に高められた。3.ホノルル法のラット核移植への適用:GO/G1期にある卵丘細胞核をMG-132等で自発的活性化を抑制したラット排卵卵子に顕微注入し、再構築卵の活性化誘起にイオノマイシンを用いてクローンラットを作製しようとした。ホノルル法でクローンマウスを作製するスキルを我々が持ち合わせていることを確認してから始めた研究だが、再構築ラット卵子を移植してから21日後に帝王切開しても1例の生存胎仔も得ることはできなかった。
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