研究課題/領域番号 |
16300141
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
|
研究機関 | 独立行政法人医薬基盤研究所 (2005) 国立感染症研究所 (2004) |
研究代表者 |
松田 潤一郎 独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究部, 研究リーダー (60181731)
|
研究分担者 |
鈴木 治 独立行政法人医薬基盤研究所, 生物資源研究部, 主任研究員 (70235935)
滝本 一広 国立感染症研究所, 動物管理室, 研究員 (70280766)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2005
|
キーワード | 糖脂質 / ガングリオシドーシス / β-ガラクトシダーゼ / リソゾーム病 / 疾患モデル / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 糖鎖遺伝子 |
研究概要 |
GM1ガングリオシドーシスは酸性β-ガラクトシダーゼ(β-Gal)の遺伝子異常により中枢神経系にガングリオシドGM1が蓄積する神経変性疾患である。本研究では、β-Galノックアウト(KO)マウスやGM1合成酵素遺伝子導入Tgマウスなど各種モデルマウスの病態解析と、神経変性の発症機序の解明を目指し、次のような成果を得た。1. GM1合成酵素遺伝子導入Tgマウスの病態解析:作出した4ラインのTgマウスすべてで脳ガングリオシドGM1の増加は認められず、脳では分解系との均衡によりGM1量としては変化がなかったものと考えちれた。β-Gal KOマウスヘのGM1合成酵素Tgの導入を行ったところ、KO/GM1SyTgマウス3ラインを樹立することが出来た。1ラインについて脂質解析を行ったところ、脳ではKOマウスに比ベガングリオシドGM1蓄積の絶対量の増加は認められないが、ガングリオシド中のGM1の比率がやや増大していた。肝臓ではGM1の蓄積もみられるが、アシアロGM1の蓄積が顕著であった。この3ラインのKO/GM1SyTgマウスの寿命と神経症状を検討したが、KOマウスと比べて顕著な差異は認められず、早期発症モデルとはならなかった。2.モデル動物を利用した神経変性の発症機序の解明:β-Gal KOマウス8日齢の脳を用いた解析を行ったところ、神経栄養因子受容体であるTrk受容体のリン酸化がKOマウス大脳、中脳、小脳において著しく低下しており、KOマウス脳ではTrk受容体に結合しているGM1の量が著しく減少していた。さらに、Trk受容体下流のPLCγを介したカルシウムシグナル経路も低下していた。神経細胞の生存・維持に重要である神経栄養因子受容体シグナルの異常がGM1ガングリオシドーシスにおける神経変性を導いている可能性が示唆された。
|