研究課題
基盤研究(B)
本研究では、感染の危険のある人・動物由来医療品の代替品として天然のセルロースや無水糖のハイパーブランチ化による多分岐多糖より得られる安全・無害な糖鎖誘導体に注目し、これら糖鎖誘導体を用いた新しい機能性医療用ゲル材料の実用化を検討した。(1)無水糖の重合による多分岐多糖の合成。無水糖のカチオン開始剤を用いた水素移動重合により、水溶性の多分岐多糖を効率よく合成することに成功した。無水糖の重合性を生成物の分子量、分散度、分岐度などの点から整理することで、利用目的に応じた重合体の精密合成が可能であった。(2)多分岐多糖の化学修飾による新規ハイドロゲル材料の合成。無水糖から得られた多分岐多糖をゲル化剤と反応することで新規なハイドロゲル材料の合成に成功した。また、多分岐多糖にポリアクリルアミドを化学修飾することにより多分岐多糖をコアとした新規な感温性ハイドロゲル材料の合成に成功した。(3)ハイドロゲル材料の機能性評価。上記の方法で合成されたハイドロゲル材料の医薬、医療分野での実用化のために、分子捕捉能、分子放出能などの機能性を付加することに成功した。(4)セルロースの高分子反応による新規な糖鎖誘導体の精密合成。カルボキシメチルセルロースを用いた高分子反応により、新規な生体適合性セルロース誘導体の精密合成に成功した。生成物の分子量、置換度、粘度などの点から整理することで、利用目的に応じた糖鎖誘導体の精密合成が可能であった。(5)糖鎖誘導体を用いた新規な医療用ゲル材料の調整。上記の方法により調整した糖鎖誘導体は新しい反応性高分子であり、架橋反応により容易に室温でゲル材料を与えた。この糖鎖誘導体の水溶液と架橋剤を用いた二液混合型の医療用ゲル材料は止血剤、シーラントの候補として有望であることが確認できた。
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