研究課題
基盤研究(B)
RNAiは非常に効果的な遺伝子抑制法であり、簡便で、効果の高い遺伝子機能の解析法として、注目を集めている。しかし、最近、siRNAによって、非特異的な抑制効果であるインターフェロン反応が励起されることが報告され、その詳細な解析が急務となっている。本研究課題では、先ず、ベクター系によって発現されるsiRNAによるインターフェロン反応について、解析を行った。最初に、19塩基対のヘアピンRNAを発現するsiRNA発現ベクターを用いて、インターフェロン反応を起こすか否かについての検討を行った。インターフェロン反応の指標としては、2',5'オリゴアデニレースシンセターゼ(OAS)の発現を用いた。ルシフェラーゼ遺伝子をターゲットとする10種類のsiRNA発現ベクターをそれぞれHeLaS3細胞に導入し、リアルタイムPCRにより、OASの発現量の定量を行ったところ、10種類のsiRNA発現ベクターを導入した細胞では、どれもsiRNAを発現していないネガティブコントロールを導入した細胞と同じレベルのOASの発現しか発現しておらず、我々の使用しているsiRNA発現システムでは、インターフェロン反応を誘起しないことが示唆された。また、この実験と並行して行っている、siRNAライブラリーによる二本鎖RNAによるインターフェロン反応のパスウェイ解析に関しては、Caspase8を含む複数の遺伝子の関与が示唆された。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
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