研究課題/領域番号 |
16300152
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
米山 隆之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00220773)
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研究分担者 |
石原 一彦 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (90193341)
井上 芳徳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (70280964)
小林 郁夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40242268)
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キーワード | チタンニッケル合金 / MPCポリマー / コーティング / 超弾性 / 表面改質 / ステント |
研究概要 |
1.ステント臨床モデルの作製について (1)前年度行ったステントの試作結果を受けて設計の改良を行い、体温における超弾性組成であるTi-50.85Ni(mol%)のチタンニッケル合金チューブにレーザ微細加工を施すことにより、ステント臨床モデルを作製した。 2.チタンニッケル合金の電気化学処理について (1)前年度の結果において、合金酸化皮膜中のNiが減少し、Ni溶出の抑制が可能な電解処理条件が示唆されたため、乳酸-グリセリン-水系の電解液の組成を変化させることにより、チタンニッケル合金表面の酸化皮膜の変化、特にNi濃度の変化について、XPSおよびAESによる表面解析を実施した。 (2)その結果、乳酸7.1-グリセリン35.7-水57.2(vol%)の処理液で電圧50V、30分間の電解処理を施すことにより、酸化皮膜表層約6nmにおいて組成中のNiを除去することに成功した。 3.チタンニッケル合金の耐食性について (1)前項の条件によって電解処理を施したチタンニッケル合金の耐食性について、アノード分極試験により耐食性を評価した (2)その結果、腐食電位の上昇、不動態保持電流密度の低下に加え、孔食の発生が消失し、耐食性の明確な改善が認められた。 4.生体機能性ポリマーコーティングについて (1)血液適合性に優れたMPC-n-ブチルメタクリレート共重合体(PMB30)のコーティング層の安定性について検討した結果、生理食塩水に振畳条件で浸漬した場合でも、72h後に厚さ15〜20n皿で安定に被覆されることが判明した。 本研究で見出された知見を総合すると、力学的高機能性、血液適合性、耐食性に優れたステントの開発が可能であることが判明し、生体に対する安全性および性能に優れた新規医療用デバイスの開発に貢献すると評価された。
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