研究課題/領域番号 |
16300153
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
山岡 哲二 国立循環器病センター(研究所), 生体工学部, 部長 (50243126)
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研究分担者 |
村上 章 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60210001)
松村 剛毅 東京女子医科大学, 日本心臓血圧研究所, 助手 (20297469)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 造血幹細胞 / 血管再生 / ポリ乳酸 / 表面修飾 / CD34 / スキャホールド / 骨髄細胞 / 細胞表面レセプター |
研究概要 |
細胞表面に表現されているCD34などの細胞マーカーは、幹細胞の同定のために有用である。従って、このマーカー分子に特異的な抗体を固定化した表面は、造血幹細胞などの特異的吸着性能を発現する。本研究課題では、高分子固相表面に、これら抗体などの生理活性物質を固定化することにより発現する新たな機能性を利用した新規組織再生用基材の開発を進めた。 まず、ポリ乳酸製再生型人工血管の表面を抗CD34抗体で修飾することで幹細胞特異的表面を構築した。得られた抗体固定化表面上へのイヌ骨髄細胞の播種により、CD34陽性細胞が選択的に吸着され、この、人工血管表面に濃縮されることが確認された。また、抗体固定化量と固定化抗体の配向性の制御について検討することで、幹細胞との相互作用力を向上させることにも成功した。一方、実施計画から発展した新たな方向性として、上述の抗体固定化表面上で、幹細胞のサブポピュレーションを分離できることが新たに見出された。これは、細胞ローリング現象に基づく分離システムとして有用であり、細胞分離カラムとしての基礎・応用研究も進め、分離されたサブポピュレーションから、効率よく機能細胞に分化誘導するフラクションを単離するに至っている。 さらに簡便かつ効率的に生理活性ペプチドを固定化する手法として、オリゴペプチドとオリゴ乳酸を結合した、両親媒性ブロック共重合体を開発した。得られた共重合体を1%程度含むポリ乳酸性ナノ不織布から成る神経誘導管を作製し、その、表面特性の解析、および、in vitro,in vivoにて神経再生誘導脳を検討したところ、神経突起の形成のみでなく、ラット座骨神経欠損モデルに於いて有意に優れた神経再生効果が認められた。
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