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2006 年度 実績報告書

ヒト・トロンボモジュリンの高分子超薄膜への固定化と医療材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16300156
研究機関大阪大学

研究代表者

明石 満  大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20145460)

研究分担者 丸山 征郎  鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
木田 敏之  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20234297)
松崎 典弥  大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (00419467)
渡邉 順司  大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助教授(常勤) (60323531)
網代 広治  大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師(常勤) (50437331)
キーワードトロンボモジュリン / 抗血栓性 / 医療材料 / 高分子超薄膜 / 物理吸着 / ポリスルホン / 表面 / 産学官連携
研究概要

トロンボモジュリン(TM)は血管内皮細胞上に存在し、血栓の形成を強力に阻害する酵素である。これまで透析膜材料であるポリスルホン(PSF)上への吸着量の定量、およびTM吸着PSF膜のプロテインC活性が保持されていることを明らかにした。
今年度は新たにTM吸着PSF膜の表面解析を実施した。分子間力顕微鏡(AFM)による観察から、PSF膜の表面粗さはTMの吸着前後で大きな変化が見られなかったことから、TMの吸着量が微量(ラフネス変化は数十nm以下)であることが明らかとなった。しかしながらその程度の微量な吸着量にも関わらず、TMが吸着したPSF膜の対水接触角は、より親水性を示し(67。)、コントロールはより疎水性を示す(90°)という興味深い結果が得られた。
また今回、種々のタンパク質のPSF膜への吸着量についてQCM(水晶振動発振子測定法)によって、より詳細な検討を行った。その結果、時間の経過と伴にTMやリゾチームの吸着量は飽和型の曲線を示し、フィブリノーゲンとカタラーゼでは非飽和型の曲線を示した。これらは一般的に知られる親水性(TMとリゾチーム)、疎水性(フィブリノーゲンとカタラーゼ)の違いに対応した結果となった。これらの吸着挙動からTMはPSF膜表面へ単層で吸着しているものと考えられる。また、その被覆率はPSF膜表面積の32%であることが見積もられた。これらタンパク質の吸着量は対水接触角に相関する結果が得られた。すなわち、一般的に疎水性といわれるタンパク質は吸着量が比較的多く、吸着したPSF膜の対水接触角はコントロールに近い値となり、一般的に親水性といわれるタンパクではより小さい値を示した。
研究当初の目標であったTMの固定化に関してナノレベルの検討を行った結果、TMが高分子超薄膜上に活性を保持したまま固定化されることを明らかとした。種々のタンパク質との比較からTMは単層吸着することで、活性を保持する可能性が示唆された。また、TMを実際の透析膜に固定化した材料の実用性も動物実験より証明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 物理吸着による高分子薄膜へのタンパク質の固定化と機能評価2006

    • 著者名/発表者名
      大道正明, 舩木隆文, 松崎典弥, 明石満
    • 雑誌名

      Polymer Preprints, Japan 55.1

      ページ: 1932

  • [雑誌論文] タンパク質固定化法としての物理吸着法の検討と固定化表面の機能評価2006

    • 著者名/発表者名
      大道正明, 舩木隆文, 加藤真哉, 松崎典弥, 明石満
    • 雑誌名

      Polymer Preprints, Japan 55.2

      ページ: 5424-5425

  • [産業財産権] 多孔質基材2006

    • 発明者名
      上野良之, 菅谷博之, 舩木隆文, 加藤真哉, 明石満, 丸山征郎
    • 権利者名
      東レ株式会社, 株式会社ビーエムテイーハイブリッド, 明石満, 丸山征郎
    • 公開番号
      特許権(特開2007-29716)
    • 出願年月日
      2006-06-20
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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