研究課題/領域番号 |
16300160
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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研究分担者 |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
関塚 永一 国立病院機構, 埼玉病院, 副院長
川西 徹 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 部長 (40124383)
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キーワード | バイオイメージング / ナノプローブ / 螢光 / 燐光 / 微小循環 / 血流 / 酸素分圧 / 糖尿病 |
研究概要 |
本研究では、顕微鏡下で透過光観測が不可能な厚みを有する臓器において、蛍光プローブを用いた血流可視化と酸素電極を用いることなく燐光プローブによる血中酸素分圧の同時計測法を開発した。本システムの特色は、微細な血流計や酸素電極を侵襲的に挿入することなく、臓器表層の微小血管に対して非接触で蛍光標識血漿または蛍光標識血球細胞の流動状態の可視化を行うとともに燐光のクエンチング作用を利用した酸素分圧の局所計測を同時に可能とするものである。全システムは2種類の光感受性プローブを2波長の励起光で光照射する光ファイバー導光系を含む光源システム、光プローブからの放射蛍光・燐光を高感度で検出する光ファイバー受光系を含むホトニック・イメージングシステム、検出された蛍光イメージと燐光シグナルをデータ処理する解析システムから構成される。これらは生体用正立顕微鏡あるいは倒立顕微鏡の光軸上に組み込まれる。実質臓器内の血流は、FITC-dextran(励起波長488nm、蛍光波長520nm)のiv投与で血漿成分を可視化計測する、あるいは循環赤血球の約5%をFITC(励起488nm、蛍光520nm)でex-vivo標識した後、返血し、流れる個々の蛍光標識赤血球を可視化することによって赤血球の流速計測が可能となる。白血球の可視化にはローダミン6G(励起514nm、蛍光590nm)でex-vivo標識して、白血球のローリングや粘着数を可視化計測する。血小板の可視化にはCFDASE(励起492nm、蛍光517nm)でex-vivo標識して、微小血管内の流動、血小板血栓生成動態を可視化評価する。一方、非接触・無侵襲に血中酸素分圧を計測するために燐光発光・酸素プローブPdポルフィリンを用い、光励起後の燐光寿命より酸素分圧を計測する。以上の方法により脳、肝臓および腫瘍組織などの微小循環血流と酸素分圧を非接触で局所的に同時計測し、良好な結果が得られた。
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