研究課題
生理活性物質を固定化した表面上への光反応性高分子材料によるマイクロパターニングを行った:水溶性を有する光反応基を導入した親水性高分子を新規に合成し、あらかじめ生理活性物質を固定化した表面上にマイクロパターンを形成することを試みた。具体的には、細胞接着を促進するコラーゲンを前固定した基板上に、新規高分子を用いてマイクロパターニングを行った後、下地コラーゲンの状態及び細胞接着性について、免疫染色等を用いて評価した。一方、より優れた細胞接着抑制能を有すると期待される新規光反応性高分子材料について、このポリマーの製膜特性、細胞接着抑制能、スフェロイドパターンの維持性、などに関して評価を行った。コラーゲン上への直接パターン形成を試みた結果、位相差顕微鏡観察から良好なパターンが作成可能であることが示された。また、血管内皮細胞を用いてパターン形成能、細胞接着性にっいて評価したところ、パターンが良好に形成されるのはもちろんのこと、コラーゲンを有さないサンプルと比較して細胞の接着強度が有意に向上していることが確認された。本結果はポリリジン、アミノ基含有シランカップリング剤の修飾基盤によっても同様に達成されることが明らかとなった。特に効率的にスフェロイドを誘導する表面設計手法の指針と環境安定性を有する表面の構築方法について得た基礎的知見をさらに、ハイスループットな細胞アッセイ系へと展開できた。その結果、96wellプレート内でのスフェロイドアレイ培養に成功した。スフェロイドの生化学的機能解析として、アルブミン産生能の維持について検討した。この際、サイズの異なるスフェロイドを調製することで、サイズ(構造)と機能の相関についてあわせて検討した。サンドイッチELISA法を用いてアルブミン産生量を算出し、細胞あたりのアルブミン産生量を算出したところ、100μmのスフェロイドが最も良好な結果を示した。また、産生量は一ヶ月以上にわたってほぼ一定の値を保った。この結果に基づき、ドメインサイズ100μmのスフェロイドを用い、テストステロン6β部位特異的水酸化反応にかかわるシトクロムP450 3A1および3A2(CYP3A1/2)の活性を測定したところ、二週間にわたってスフェロイド形成直後の活性を維持することが示された。さらにこのようなスフェロイドの生化学的機能を遺伝子レベルで詳細に解析する方法論を確立した。現在、細胞や細胞集団の長期培養・高機能化、さらには複雑な臓器の再生の戦略を考えるための基礎的知見があまりにも乏しいため、細胞集団が他の細胞集団とどのように相互作用しているかはほとんど明らかになっていない。そこで、本年度は細胞シート工学を用い、異なった細胞集団を2層化する培養システムで異種細胞間の相互作用を遺伝子レベルで解析するシステムを構築した。これにより、スフェロイド内遺伝子発現を効率的に解析することに成功した。
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