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2004 年度 実績報告書

超高圧誘起水素結合性高分子集合体の遺伝子送達システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 16300167
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

岸田 晶夫  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)

研究分担者 古薗 勉  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (30332406)
山岡 哲二  国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (50243126)
木村 剛  東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (10393216)
キーワード遺伝子ベクター / ポリビニルアルコール / DNA / 超高圧 / 水素結合
研究概要

これまで、ある種の水溶性高分子が高圧下で強固な水素結合を形成し、ハイドロゲルやナノ粒子等の構造体を形成することを発見し、これを用いて、ポリビニルアルコール(PVA)とDNAとの複合体調整に成功した。本年度は、PVA/DNA複合体の遺伝子ベクターとしての機能解析とPVAに変わる生体適合性材料あるいは生体由来材料の可能性ついて検討した。
まず、PVA/DNA複合体の物性について詳細に検討した。水素結合阻害剤存在下では複合体が形成されなかったことから、水素結合性を介した複合体であることが明らかとなった。AFM観察、CDスペクトル解析により、DNAの主あるいは副溝にPVAが巻きついた状態であることが示唆された。培養細胞への導入実験においては、高頻度の細胞内取り込みが示されたが、5時間後の導入遺伝子の発現効率は低かった。しかし、in vtroの発現実験では、20時間の血清存在下においても遺伝子発現が認められたことから、PVA/DNA複合体の高核酸分解酵素耐性が示され、長期間の遺伝子導入への可能性が示唆された。また、遺伝子発現の改善の試みとして、食胞からの速やかな複合体の脱出を達成させるため、無機塩の添加を行った。遺伝子発現効率の上昇が示され、市販品と同程度の遺伝子発現強度であり、遺伝子発現の改善に成功した。
PVAに変わる合成高分子としてポリエチレングリコール(PEG)を採用した結果、PEGにおいてもDNAとの複合体形成がなされた。PEGは生体適合性が高く、実際の臨床においても用いられていることから、その有用性に期待できる。生体由来材料としては、血清成分であるIgGと多糖のDextranを用いた。両者においても複合体の形成が示され、また、細胞内への取り込みも確認できた。以上の検討から、本年度の目的はある程度達成され、来年度以降は、より高遺伝子発現効率な超高圧誘遺伝子ベクターの開発を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Novel PVA-DNA nanoparticles prepared by ultra high pressure technology fo gene delivery.2004

    • 著者名/発表者名
      Tsuyoshi Kimura, Akira Okuno, Kozo Miyazaki, Tsutomu Furuzono, Yuichi Ohya, Taturou Ouchi, Shingo Mutsuo, Hidekazu Yoshizawa, Yoshiro Kitamura, Toshiya Fujisato, Akio Kishida
    • 雑誌名

      Matererials Science and Engineering C 24

      ページ: 794-801

  • [図書] ポバール会記録2004

    • 著者名/発表者名
      木村剛, 奥野暁, 大矢裕一, 大内辰郎, 六雄伸吾, 吉澤秀和, 古薗勉, 藤里俊哉, 岸田晶夫
    • 総ページ数
      2/84
    • 出版者
      ポバール会

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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