研究課題/領域番号 |
16300170
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
若松 秀俊 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (40014237)
|
研究分担者 |
宮里 逸郎 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教授 (10014375)
本間 達 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助手 (60361721)
|
キーワード | 脳低温療法 / 脳温制御 / 適応制御 / 集中治療・管理 / 脳圧制御 |
研究概要 |
頭部伝熱モデルと循環温熱モデルのさらなる精密化をはかりながら生体温熱モデルを総合化し、これを脳低温制御システムに導入して体格や血流量、代謝量などシミュレーションによる条件を種々変えた脳低温療法時の動特性の検討を行った。そして、制御のために望ましい特性を表す規範モデルを導入し、脳温自動管理システムを数学的に構築してシミュレーション実験を行い、適応制御システムとして動作する適切な脳温制御アルゴリズムを見出した。 同時に、集中治療室での実際の脳低温療法を念頭において、物性的にも人体に適合し、代謝産熱と血液循環が模擬可能な人形を患者の代用として、全身表面冷却法に基づいた高性能脳温自動管理シミュレータを構築した。そして、これを用いてより高精度で患者にとって低侵襲の脳温管理を実現させるモデル規範形適応制御の検討と設計を行った。また、このシミュレータを用いて、集中治療室での治療時を想定した脳温管理過程の特性試験を行った。 一方、脳低温療法時での管理項目であり脳神経組織保護の観点からも最重要項目である脳圧管理について、マンニトールの持続静注による自動管理システムの検討を行い、PID制御および最適制御による理論的な基礎を確立し、臨床で実際に行われている投与法との比較からこの脳圧自動管理システムの医学的な利点を明らかにした。 さらに、冷却用帽子による救急車内での脳低温迅速導入システム、在宅リハビリテーション患者用の小型脳温管理装置、脳低温療法時における患者の生理状態の自動認識・警告システムについての検討も行った。また、特に空冷による全身表面冷却による脳温自動管理システムについて検討し、その理論的な基礎を確立するとともに、従来の水冷による全身表面冷却との比較・検討を行った。
|