研究課題/領域番号 |
16300172
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
掛地 吉弘 九州大学, 大学病院, 助教授 (80284488)
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研究分担者 |
橋爪 誠 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90198664)
前原 喜彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80165662)
吉野 一郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40281547)
佐藤 嘉伸 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70243219)
波多 伸彦 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (50334256)
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キーワード | 医用画像 / 内視鏡外科手術 / 手術ナビゲーション / 手術シミュレーション |
研究概要 |
術中3次元超音波画像の獲得および腹腔鏡画像との統合 1.磁場歪み補正法の改良 本システムは磁気式3次元位置センサによって超音波プローブ先端の位置姿勢を計測している。手術ベッド上では周囲の金属製品によってその計測に歪みが生じ、超音波画像と腹腔鏡画像との統合にずれが生じるため、術中に歪み補正データの獲得を行う必要がある。今年度はこの歪み補正法を改良した。改良後の補正方法では、従来必要であった磁場発生器の光学式3次元位置センサによる計測を行わず、獲得した歪み補正データから歪みと同時に磁場発生器の位置推定を行う。磁場発生器の計測が不要になることにより、光学式3次元位置センサの視野内に遮蔽されることなく設置しなければならないという制約がなくなった。従来では設置できなかった手術ベッドの下に配置でき、他の手術器具や術者の妨げになることがない。手術ベッドを用いて歪み補正精度の従来法との比較実験を行った。64mm,17度の磁場歪みが、従来法では1.52mm,0.17度、改良法では1.50mm,0.17度に減少した。改良法は従来法とほぼ同等の歪み補正精度であることが確認できた。 2.動物実験 1)腫瘍ファントム実験 ブタ肝下面に接着した直径7mm大の腫瘍ファントムの三次元超音波を取得し、腫瘍の空間座標を、磁場歪み補正の有無(A,B)、光学式3次元位置センサによる直接計測(C)の3者で比較した。A-C間が8.5mm、B-C間が15.8mmとなり、補正ありのほうが直接計測(正解値)に近かった。 2)血管の重ね合わせ 歪み補正データを獲得後、肝臓内の血管をドップラー超音波で撮影し、3次元再構成して内視鏡画像に重ね合わせた。目視による評価では、適切に重なっていると思われた。超音波画像を獲得してから血管を抽出し、重ね合わせを行うまでに要した時間は数分程度であり、円滑に行うことができた。
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