平成16年度は、ウイスター系ラット60匹を用いて、市販されている造影剤レボビスト及び第3世代と称される治験用DD723、オプチゾンを鼠径部静脈から注入し、脳内造影の状況を観察した。脳内血流は良好に造影される事が確認できた。静脈内投与の後、直後(5分と30分)、1週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の観察を行なうために、グループ分けを行った。(1)コントロール群、(2)超音波照射のみの群、(3)レボビストのみの群、(4)レボビストと超音波照射群、(5)DD723のみの群、(6)DD723と超音波照射群、(7)オプチゾンと超音波照射群の7群に分け、直後処理群は5分後と30分後とした。それ以後は7日間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月について処理を行い、資料を採取した。現在直後、1ヶ月のグループの光学、電子顕微鏡の標本を取った。標本の作製にあたり、エーテル麻酔下に開胸し、左室から冷生理食塩水を注入し、血液を排除した後に左室から冷2.5%グルタールアルデヒド、2%パラホルムアルデヒドを注入し、固定した。脳を取り出し細切し、固定液に保存し、標本を作製して光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察した。現時点で、脳内スカベンジャー細胞及び周辺の細胞にはコントロール比較して変化がある事が認められる。詳細はこれから顕微鏡像を分析し、その影響を解説する予定である。17年度に3ヶ月、6ヶ月のラットから標本を取る予定である。同時に肝臓の長期観察も行い、これまでの未解決の問題点も解決したいと考えている。
|