研究課題/領域番号 |
16300181
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三宅 直之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20361488)
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研究分担者 |
江藤 文夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00101121)
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キーワード | リウマチ性疾患 / 物理療法 / 交感神経活動 / 知覚閾値 / 電流知覚閾値測定 / C線維 / 閾値上昇 |
研究概要 |
【研究の目的】 本研究はリウマチ性疾患の疼痛や異常感覚に対する温熱刺激と電気刺激の鎮痛効果とその作用機序について、交感神経性皮膚血流反応(SFR)および交感神経皮膚反応(SSR)による皮膚交感神経活動に及ぼす影響と、知覚閾値の変化について電流知覚閾値装置(CPT)を用いて解明することを目的とした。3年計画の2年目はリウマチ性疾患に対して行った。 【対象と方法】 主訴が下肢痛、関節痛、上肢痛を自覚するリウマチ性疾患患者42例を対象とし、ランダムに温熱刺激群14例、電気刺激群15例、無刺激(コントロール)群13例に割り付けた。検査室にて安静時と温熱・電気刺激後の交感神経皮膚反応(SSR)と皮膚血流(レーザードップラ血流計)を記録し、電流知覚閾値測定(CPT)も上肢は第2指もしくは下肢は第1趾、第2趾遠位端において、2000Hz、250Hz、5Hzの電流を感じたレベル(mA)をもって測定した。温熱刺激はホットパックや赤外線を使用、電気刺激は経皮的電気刺激や低周波鍼通電刺激を週1回で3ヶ月行った。また患者自身の評価として疼痛スケールの経時的な変化とQOL評価のSF36を記入していただいた。 【研究結果】 電気刺激を行うと皮膚交感神経活動は刺激前と比べ有意に減少し、温熱刺激は減少するも有意差は認められず。皮膚血流量は両刺激により有意に増加し、電気刺激群が温熱刺激と比べ有意な増加を認めた。 またCPTによる知覚閾値および痛覚閾値は、電気刺激群で痛覚閾値においてC線維(5Hz)で刺激前後の変化で有意差が認められた。温熱・電気刺激中の心拍数・血圧の変化は認められなかった。 以上の結果より電気刺激は温熱刺激よりも交感神経系の抑制や皮膚血流の変化が良い傾向であった。機序として局所の軸索反射によるものと皮膚血管を支配する皮膚交感神経の緊張の抑制による両者の血管拡張機序が考えられた。また痛覚閾値で5Hz(C線維)が有意に上昇したことは侵害刺激として感じるSecond Painに対しては閾値の上昇をもたらす可能性があり、知覚神経の無髄神経であるC線維が障害される時期には治療効果が期待できるものと考える。
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