研究課題/領域番号 |
16300184
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鄭 忠和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10163891)
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研究分担者 |
山口 昭彦 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00315441)
増田 彰則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10347099)
宮田 昌明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00347113)
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キーワード | 温熱療法 / 心不全 / うつ病 / 慢性疲労症候群 / 慢性疼痛 / 血管新生 / 閉塞性動脈硬化症 |
研究概要 |
心不全患者において温熱療法の自律神経に対する作用について検討した。温熱療法施行群20名では非施行群10名に比べ、ノルエピネフリン濃度は有意に低下し、24時間ホルター心電図による心拍変動解析(SDNN)は約30%有意に増加した。温熱療法は、慢性心不全によって異常亢進している交感神経活性を改善することを明らかにした。 心不全発症ハムスター(TO-2)を用い温熱療法の効果とその発現機序を検討した。温熱療法施行群では非施行群と比較し、生存率が35%と有意に改善した。4週間の温熱療法施行群では非施行群と比較し、eNOSのmRNA及び蛋白の発現が有意に増強し、血清nitrate濃度も有意に上昇した。この結果はCirculation Journalに掲載され、2005年度の基礎部門最優秀論文賞を受賞した。 軽症うつ病、慢性疲労、慢性疼痛患者に対して温熱療法を施行し、いずれも症状が改善することを各々論文掲載した。温熱療法は、心身症の新しい治療法として有効であることを示した。 温熱療法による血管新生に関する検討では、アポ蛋白E欠損マウスの下肢虚血モデルにおいて、5週間の温熱療法は下肢血流と血管密度を増加させた。L-NAMEやeNOS欠損マウスを用いた実験により、温熱療法の血流改善作用にeNOSとNOが重要な役割を果たしていることを明らかにした。この結果は、Circulation Journal誌の2006年4月号に掲載予定である。 さらに、閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する温熱療法の効果をASO患者13名で検討した。10週間の温熱療法により、下肢疼痛、6分間歩行距離、ABI、体表温度、レーザードプラ血流計による下肢血流、下肢血管造影に関して有意な改善を認めた。また、皮膚潰瘍を有した5例で潰瘍が縮小・治癒した。2005年のAmerican Heart Associationで発表し、ASOの新しい治療法として今後期待できる。
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