研究分担者 |
石原 保志 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (70212917)
村上 裕史 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (20219900)
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (90279555)
河野 純大 筑波技術大学, 産業技術学部, 助教授 (90352567)
三好 茂樹 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教授 (80310192)
|
研究概要 |
聴覚障害者は,日常生活の中,診療や役所などでの事務手続き,ならびに健聴者の中での授業・講習会などでは,十分なコミュニケーションのサポートを得ることが難しい.しかし,高速ネットワークの整備や画像圧縮技術の進歩に伴い,テレビ電話やテレビ会議システムを用いた遠隔地からのコミュニケーション支援が可能になってきた.こうした技術を効果的に活用することで,これまで支援を受けられなかったような場面でも十分な情報保障が確保されることが期待される. こうした背景から,我々は,最新の情報技術を用いた聴覚障害者のためのコミュニケーション支援システムの構築の検討を試みた.その結果,本研究の成果として,以下の内容がわかった. 1.遠隔からの手話通訳,要約筆記,リアルタイム字幕,音声認識字幕技術を統合する遠隔コミュニケーション支援システムを構築することで,聴覚障害者の様々なニーズに合わせた支援が可能なことがわかった.また,携帯TVやHMDなどの機器を活用することで,多様な授業形態にも対応できることがわかった. 2.手話通訳者,字幕作成者に対して,専門用語などのキーワードを提示することで,大学の講義や学会など専門性の高い場面での情報保障を充実させられることがわかった. 3.手話通訳映像に,専門用語などのキーワード,講義などで提示されている資料を合成して,手話通訳者がこれらを活用した通訳を実施することで,情報保障のさらなる充実が図れることがわかった. 4.講堂などでの通常の情報保障場面でも,遠隔情報保障の技術を活用することで,情報保障内容の充実が図れることがわかった. 5.聴覚障害者のエアロビクス授業においても,リズムや教員の指示などを視覚情報で提示することで,情報保障の充実が図れることがわかった. 6.情報提示の方法を工夫することで,聴覚障害者の学習環境の改善が図れることがわかった.
|