研究概要 |
本研究は、小児肥満の病態評価基準作成と肥満改善支援システム開発を目的にし,平成18年度は,肥満を評価し,その改善支援に重要な意味を持つ身体活動量の評価法開発を中心に研究を行った.なお,これらの研究は,岡山大学大学院医歯学総合研究科疫学研究倫理委員会の承認を得た上で行った。 1.幼児の身体活動量評価法開発についての研究 11人の幼児(5〜6歳)を対象に,時速3km・5km・7kmの3スピードによる多段階運動負荷テスト(1スピード3分間)を行い,その時の加速度計(Lifecorder : LC)の運動強度(LC強度)と酸素摂取量を測定した.その結果,LC強度と酸素摂取量の間に高い有意な相関関係(r=0.88,p<0.001)が認められた. 2.小学生の身体活動量評価法開発についての研究 小学生12名を対象に,LCによる身体活動量(1日歩数,走行以上の強度の活動時間:強活動時間)とDLWによる活動エネルギー代謝量(PAEE)を測定した.その結果,1日歩数(r=0.785,p<0.005)または強活動時間(r=0.828,p<0.001)とPAEEの問に高い有意な相関関係が認められた.また,小学生307名を対象に,日常生活での身体活動量をLCで測定した.その結果,小学生の身体活動量は男子に比べ女子で少ないこと,平日に比べ休日で少ないことが示された. 3.中学生の身体活動量評価法開発についての研究 中学生10名を対象に,時速2km・4km・6km・8km・10km・12kmの6スピードによる多段階運動負荷テスト(1スピード3分間)を行い,その時の加速度計(Lifecorder : LC)の運動強度(LC強度)と酸素摂取量を測定した.その結果,歩行時ではLC強度と酸素摂取量の間に高い有意な相関関係(r=0.812,p<0.001)が認められたが,走行以上の強度ではLC強度がプラトーに達した.
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