研究概要 |
本研究では、ソーシャルマーケティングの手法を組み込んだ身体活動増進プログラムを開発し、地域での健康増進事業のモデルを構築することを目的とした。題材には"ウォーキング"を用い、グループでの集団指導(地域)、印刷媒体(職域)、ビデオ媒体(一般)という3種のプロモーションによって、「どのような人がどのように身体活動量を増進するか」という点から各アプローチの効果を評価した。 初年度(平成16年度)には、地域におけるグループ教室型プログラムの実施、職域における印刷媒体を用いたプログラム(プログラムの開発)、一般市民を対象としたビデオによるプロモーション(予備調査)を行った。また、印刷教材と、ビデオ教材という二つの異なるメディアによる行動科学的アプローチの効果を検証するために、所沢市民49,600世帯を対象に新聞折込みにてチラシを配布してプログラム応募者を募り、その応募者の特徴を分析した。 引き続いて、平成17年度は、地域高齢者を対象とした運動プログラムに関する費用分析、"教室型ウォーキングプログラム"がウォーキング環境認知および日常身体活動量に及ぼす効果、身体活動量促進のインセンティブを与えるプログラムの提案と解決すべき課題、異なるタイプ(教室型あるいは通信型)のウォーキングプログラムに対する参加者の特徴の比較検証を行うとともに、平成16年度に準備した介入プログラムの実施およびデータ分析によって、印刷教材とビデオ教材を用いた単独および併用プログラムの評価を行うと共に、日常生活での歩数の増加・運動セルフ・エフィカシー向上への効果について検証した。 平成18年度は、狭山市での介入プログラムのフォローアップならびにデータ分析・検証を行うと共に、ウォーキング行動評価尺度の開発、ウォーキングイベントの集客プロモーションにおける情報媒体の有効性、ウォーキングクラブにおける集団歩行が個々のウォーカーの歩行ベースに及ぼす影響、身体活動に対する意識と歩行時間との関連、などについての研究を行った。 以上の研究から、地域での健康指導においては、グループでの集団指導も大きな効果をもたらすが、簡易なパンフレットによる通信型介入であっても、適切な通信情報のやりとり(コミュニケーション)を含んだプログラムであれば、ある程度の効果が認められることが明らかとなった。
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