研究課題
基盤研究(B)
本研究は、運動中の中枢性ドーパミン神経系の働きを調べるため、自発運動および強制運動中の線条体におけるドーパミン機能をマイクロダイアリシス法を用いた動物実験とPETを用いた臨床実験において確認することを目的とするものである。動物実験では、回転計付きのケージと行動量測定用ソフトClockLab(Future Medical Engineering)を入手し、運動中のWistar系ラット線条体内のドーパミン量をマイクロダイアリシス法にて測定している。手技的には、習熟したが、ラット自由運動に用いる回転ゲージの運動量の読みに問題があることが判明したので、製造元に修理を依頼した。PET研究では、5人の健康被験者においてエルゴメーター運動前後の線条体内ドーパミンD2受容体濃度を11C標識のラクロプリドを用いて測定に成功した。ドーパミンD2受容体濃度の変化によりドーパミン分泌量を推定する予定であるが、そのための解析モデルの検討を行った。結果としてLammertsmmaらのsimplified reference tissue改良モデルが使用できるとの結論を得て、そのための解析プログラムを開発中である。予備的計算では、運動により見かけのD2受容体濃度が減少することが判明しているので内因性ドーパミンが運動により分泌されることは確実と予想している。今後は、症例数を8名まで増やすと共にドーパミン分泌の画像化を行う予定である。
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