研究課題
研究目的は、運動による脳内ドーパミン分泌が引き起こされると予測しているが、これをポジトロン断層法(PET)によって検出可能か否かを検証するものである。これまでに正常被験者13人の協力を得て臨床実験を終了した。このうち、9人においては、運動の前後の2回の撮影を行うことに成功した。今年度は、ドーパミン分泌解析を目的として研究を行った。結果として、以下のことが明らかとなった。1)運動手段としてPET撮影台上でエルゴメーターを漕ぐこととしたが、体動が必然であるため脳の撮影断面が時間とともにずれていくことが問題である。これを顔面ヘルメットを採用して防止に努めたが、それでも頭の動きを防ぎきれていないことが判明した。そこで、採取されたPET画像を時間ごとに並べなおし、初期画像に対しての動きを計算して動き補正をかけることにした。2)LammertsmaのSimplified reference tissue modelを使用してドーパミンD2受容体の見かけの結合定数を計算し、運動により見かけの結合定数が減少することを確認した。しかし、同時にトサーである放射性Radoprideの脳内分布速度が変化する傾向が見られたので、結合定数の変化釈していることがわかった。そこで、このモデルに代わってLoganのReference tissue modelでの計算を行っている。3)PET撮影中の運動を40分間として、運動前後の脳内放射能変化を追跡することで1回撮影によるドーパミン分泌検出を目指したが、有意な結合定数の変化が観察されなかった。したがって、2回撮影法が必要と判断している。現在までのところ、7例で線条体におけるドーパミンD2受容体結合定数の計算を終了した。同時にD2受容体結合定数変化画像作成を目指してソフトウエアの開発を行っている。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
J.Neurosurg. 100・4
ページ: 968-973
Eru.Neuropsychopharmacol 15・2
ページ: 185-191
Cereb Cortex 15・2
ページ: 192-199
Neurogastroenterol 382・3
ページ: 705-713
Neurosci Lett 58・2
ページ: 25 254-258