研究分担者 |
藤井 範久 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究所, 助教授 (10261786)
向井 直樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究所, 助教授 (70292539)
白木 仁 筑波大学, 大学院人間総合科学研究所, 助教授 (90206285)
小池 関也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究所, 講師 (50272670)
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研究概要 |
平成17年度には,平成16年度と同様の方法を用いて,アスリートの整形外科メディカルチェック,立位姿勢および歩行動作の計測を行い,整形外科的診断結果と各種のバイオメカニクス的測定項目を比較し,下肢および骨盤(腰)の障害と関係する左右対称性についてバイオメカニクス的観点から研究することをねらいとした. 実際には,アスリートの歩行動作をキネマティクス的に分析し,左右対称性に着目して非障害群と障害群の歩行動作の特徴を明らかにしようとした.被験者は事前に報告させた障害経験や部位にもとづいて8グループに分類された大学生競技者78名で,被験者に約10mの距離を裸足にて歩行させ,光学式3次元自動動作分析装置Vicon 612を用いて身体の3次元座標値を計測し,左右の下肢関節角度,対称位相角などを算出した. その結果,非障害群でもFoot flat時の股関節内転角度,Mid-swing時の膝関節屈曲角度などに非対称性がみられることがわかった.腰痛群では,片脚で全荷重を支持するという機能に関係するMid-stance時の股関節屈曲角度に著しい非対称性がみられた.また,右股関節障害群ではMid-stance時の右股関節屈曲に,右膝関節障害群では障害部位の膝関節よりも股関節に非対称性が表れた.このほか,左膝関節障害群,足関節障害群では原因疾患により障害部位に非対称性がみられた.これらのことから,歩行動作により障害の有無や予防法に関する評価を行なう際には,障害側だけでなく,非障害側にも着目する必要があると考えられた.
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