研究分担者 |
藤井 範久 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (10261786)
向井 直樹 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (70292539)
白木 仁 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90206285)
小池 関也 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (50272670)
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研究概要 |
本年度には,歩行動作のデータ収集を継続しながら,これまでに収集したデータをもとに,アスリートの正常歩行および異常歩行の動作パターンをキネマティクス的に分析し,下肢動作の逸脱度に着目してアスリートの歩行動作の特徴を明らかにすることを試みた.また,収集したデータから下肢の3次元kinematicsおよびkineticsを算出し,障害部位に着目して分析し,障害と歩行データとの関係を明らかにしようとした.下肢動作の逸脱度についての結果は以下のようである. 被験者は,陸上競技部および女子バスケットボール部に所属する非障害アスリート32名および障害アスリート50名であり,障害の有無や部位を事前に報告させ,それにもとづいて5グループに分類した.歩行路において自由歩行を行わせ,2台のフォースプラットフォームと3次元動作分析装置(VICON612,120Hz)のカメラ8台により歩行動作を計測した.本研究では,Vaughan et al.(1992)の方法をもとに,股関節,膝関節および足関節の関節角度を算出した.下肢関節の偏差(逸脱度)はzスコアから求めた. 足関節障害群(G5)では,遊脚期における正の障害側股関節偏差が非障害側より小さく(p<0.05),さらに,負の障害側股関節偏差が非障害側より大きかった(p<0.01),膝関節障害群(G4)では,支持期における正の障害側膝関節偏差が非障害側より小さく(p<0.05),負の障害側膝関節の偏差が非障害側より大きかった(p<0.05).また,遊脚期における負の障害側股関節偏差が非障害側より大きかった(p<0.05).股関節障害群(G3)では,遊脚期における負の障害側膝関節偏差が非障害側より大きかった(p<0.05). このように,非障害群でも左右非対称性のあることが確認され,足関節,膝関節および股関節角度において障害側と非障害側間に相違がみられた.障害アスリートの障害側関節角度は,非障害群より小さく,非障害側関節角度は非障害アスリートより大きいことがわかった.
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