研究課題/領域番号 |
16300202
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野村 武男 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80091817)
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研究分担者 |
松内 一雄 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (70111367)
榊原 潤 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (10292533)
椿本 昇三 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (50180039)
本間 三和子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80241800)
高木 英樹 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (80226753)
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キーワード | 画像粒子速度計測法(PIV法) / 非定常流れ場 / 流体力 / 渦輪 |
研究概要 |
現在まで非定常な流体力学的観点から水泳時の流れ場の詳細な報告をしているものはない。PIV計測法(粒子画像流速測定法)を用いることにより、時々刻々変化する非定常な流れ場を可視化・解析することができるが、これまでのPIV計測法を用いた研究は、細部の気流解析や魚などの小型遊泳動物に関する研究のように、測定領域が非常に小さいものしか行われていない。PIV計測法を水泳へ応用するのは我々が世界的に見ても初である。 今年度は、水平測定面におけるx-y方向の速度2成分PIV計測法(2C-PIV)を応用し、垂直測定面における流れ場の可視化を行うことで、流れの3次元的な構造を示唆することができた。現在はCCDカメラを2台用い、レーザー測定面上のx-y方向の速度だけでなくレーザーの厚さ方向分の速度、x-y-z方向の速度3成分を測定することが可能である3C-PIV計測法と組み合わせることで、より詳細な流れ場の3次元構造を明らかにしようと試みている。しかし、3C-PIV計測法は精度の点でまだ問題が残るため、その問題点を解決していき流体力の定量的な分析を進めていく。 また、水泳運動のシミュレーションモデル作成も進んできており、ハイスピードカメラで実際のドルフィンキック動作を細かく分析し、現在では水泳時に身体各部位に働く流体力を算出するために用いられている3つの流体力係数(付加質量力係数、接線方向抵抗係数、法線方向抵抗係数)を分析の対象となる泳者の体型と泳動作に合うように調節することによって、水泳中のダイナミクスをシミュレーション上で再現できることができるようになり、水中ドルフィンキック泳動作中に発生する推進力や各関節トルクなどを算出することができた。 今後PIV計測法で測定した定量的データをこのシミュレーションモデルに加えることで、シミュレーションの完成度を高めていき、水泳指導に有益なものにしていく。
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