研究課題/領域番号 |
16300203
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
西保 岳 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90237751)
|
研究分担者 |
高松 薫 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (90015727)
征矢 英昭 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (50221346)
尾縣 貢 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90177121)
高木 英樹 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (80226753)
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
|
キーワード | 動脈圧反射 / ハンドグリップ / 心肺圧受容器反射 / 筋代謝受容器反射 |
研究概要 |
運動中の循環や自律神経調節に対して、末梢性反射受容器(筋から中枢(脳)への入力刺激による筋代謝受容器反射、筋機械受容器反射、脱水などによって生ずる中心血液量減少による心肺圧受容器反射、beat-by-beatな動脈血圧変動に関与する動脈圧受容器反射)がどのように関与しているかを明らかにするために、血流調節及び自律神経調節機能に焦点を絞って検討するこることを目標とし、本年度は、心肺圧受容器反射の動脈圧受容器反射に及ぼす影響に関して検討した。 17人の健康な成人の被験者に対して、心肺圧受容器反射を刺激するために、段階的(10mmHgずつ)に圧力を強くする下半身陰圧負荷(LBNP)をおこなった。それぞれ5分間のLBNP中の筋交感神経活動、動脈血圧変化、呼吸反応を測定し、それらの変化の相互関係を検討した。筋交感神経活動のバースト発生確率(Burst incidence)、バーストの強さ(Burst strength)、バーストの平均値(total activity)を拡張期動脈血庄(Diastlic aertial pressure : DAP)毎に求めて、両者の直線関係を求めた。その結果、心肺圧受容器反射が強まるにつれて、筋交感神経活動のバースト発生確率の直線関係(DAP-Burst incidence)は変化するが、起立性低血圧が生ずる少し前においては、血圧や心拍数に顕著な変化が生じていないにもかかわらず、その傾きが大きく低下することが発見された。このことは、心肺圧受容器反射によって、動脈圧受容器反射による筋交感神経活動のバースト発生確率の調節が、段階的に変化するが、ある閾値に達すると、大きく変化する(ある意味、調節できなくなる)ことを示唆した。
|