研究分担者 |
高松 薫 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (90015727)
征矢 英昭 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (50221346)
尾縣 貢 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90177121)
高木 英樹 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (80226753)
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
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研究概要 |
運動中の循環や自律神経調節に対して、末梢性反射受容器(筋から中枢(脳)への入力刺激による筋代謝受容器反射や筋機械受容器反射、脱水などによって生ずる中心血液量減少による心肺圧受容器反射、beat-by-beatな動脈血圧変動に関与する動脈圧受容器反射等)がどのように関与しているかを明らかにすることを目的とした。 ハンドグリップ運動中や、運動後に上腕をカフで止血して運動終了後に筋での代謝受容器を刺激した時の筋交感神経や血圧、心拍数の同時測定を行い、その相互連関を検討した。ハンドグリップ運動時における動脈圧受容器反射による筋交感神経調節の経時的変化には、筋代謝受容器の賦活が大きく関与すると考えられるが、これに加えてセントラルコマンドや筋機械受容器反射も関与することが示唆された。また,筋代謝受容器反射とセントラルコマンドおよび筋機械受容器反射は,動脈圧受容器反射による筋交感神経調節に異なる影響を及ぼすことが示唆された。 心肺圧受容器反射を刺激するために、段階的(10mmHgづつ)に圧力を強くする下半身陰圧負荷(LBNP)をおこなった。その結果、心肺圧受容器反射が強まるにつれて、筋交感神経活動のバースト発生確率の直線関係は変化するが、起立性低血圧が生ずる少し前においては、血圧や心拍数に顕著な変化が生じていないにもかかわらず、その傾きが大きく低下することが発見された。このことは、心肺圧受容器反射によって、動脈圧受容器反射による筋交感神経活動のバースト発生確率の調節が、段階的に変化するが、ある闇値に達すると、大きく変化する(ある意味、調節できなくなる)ことを示唆した。 以上の結果から、運動中には、筋代謝受容器反射、動脈圧受容器反射、心肺圧受容器反射が、相互に影響しあって、交感神経活動及び血圧調節に大きく影響していることが明らかとなった。
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