研究課題/領域番号 |
16300204
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
征矢 英昭 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (50221346)
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研究分担者 |
櫻井 武 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (60251055)
木塚 朝博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (30323281)
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キーワード | オレキシン / ナルコレプシー / 抗重力筋 / ヒラメ筋 |
研究概要 |
オレキシンは視床下部脳弓周囲部に局在する神経が特異的に発現する神経ペプチドで、1998年に共同研究者の櫻井らによって発見された。オレキシンは脳内の広域へ投射し、姿勢維持筋の揚力維持に重要な脳幹、さらには脊髄まで投射が見られる。オレキシンの機能不全はナルコレプシーを引き起こし、カタプレキシーという姿勢維持筋のトヌスの低下が起こり、姿勢維持ができなくなる現象が見られる。また、我々の今までの研究成果では、内因性のオレキシンが欠損したオレキシンノックアウトマウスにおいて、下肢骨格筋の萎縮、特に抗重力筋のひとつで、遅筋のヒラメ筋の萎縮が見られた。このことから、内因性のオレキシンはマウスのヒラメ筋の形質維持に関与している可能性が示された。本研究では、脳内オレキシンが姿勢維持筋(抗重力筋)の発育・発達にどのように関与するのかを明らかにすることを目的とした。 オレキシンノックアウトマウスを用いて、欠損(K0)マウスとその野生型(Wt)マウスのヒラメ筋の相対重量を、週齢を追って比較した結果、K0マウスのヒラメ筋相対重量はWtマウスに比べて20週齢で約10%、30週齢で約15%、40週齢で約16%低下していた。現在、さらに若齢マウスの骨格筋重量について調査を行っている。 また、このように、K0マウスにおいてヒラメ筋特異的に萎縮が見られたことから、オレキシン神経が脊髄の骨格筋を支配する運動ニューロンヘの投射、受容体発現に差異が見られる可能性が考えられる。この仮説を検証するために、現在、ラット骨格筋の下肢骨格筋(速筋の足底筋、長指伸筋、遅筋のヒラメ筋)を支配する運動ニューロンにおけるオレキシン受容体の発現量について調査を行っている。
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