研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、包括的ストレスマネジメント教育のいじめ予防効果を明らかにすることであった。まず、中学生433名を対象に2004年に実施したアンケート調査より、ソーシャルサポート得点が高い中学生はいじめ被害得点が低いことが明らかになった。この結果から、個人によって知覚されるソーシャルサポートが高まるようにストレスマネジメント教育を実施することによって、いじめ被害が改善されると考えられた。学校では、生徒が所属する学級において学級雰囲気を肯定的に評価するようになることが重要であると考えられた。そこで、鹿児島市内のA中学2年生1クラス(男子18名、女子15名)に対し、2005年11月から2006年2月までの3ヶ月間に、セルフ・リラクセーション、ペア・リラクセーション、メンタル・リハーサル等から構成された包括的ストレスマネジメント教育プログラムを計9回実施し、その効果を検討した。その結果、以下のような効果が明になった。(1)学級雰囲気が向上した。(2)いじめ被害得点が減少した。(3)いじめはいけないことであると判断する生徒が増えた。さらに、鹿児島市内のB中学1年生6クラス262名(男子131名、女子131名)を対象に、2007年2月の2週間の間に、クラス単位で「いじめ」事件に関する民事訴訟判決書を活用した人権教育と、セルフ・リラクセーションプログラムを中心としたストレスマネジメント教育を各々2時間ずつ実施し、それぞれのクラスにおけるいじめ予防効果を比較検討したが、いずれの授業においてもいじめ被害得点の減少は認められなかった。以上のことより、ストレスマネジメント教育によるいじめ予防効果を上げるためには、短期的介入ではなく、中・長期的にストレスマネジメント教育を継続することが重要であることがわかった。
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