研究課題/領域番号 |
16300230
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
牧野 カツコ お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70008035)
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研究分担者 |
耳塚 寛明 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (40143333)
袖井 孝子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 客員教授 (10072993)
藤崎 宏子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (70334563)
御船 美智子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (10200106)
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キーワード | 児童・生徒調査 / 保護者調査 / 家庭環境 / 父母の学歴 / 家庭の雰囲気 / 学校適応 / 職業意識 / 自尊感情 |
研究概要 |
家庭生活および家族関係が児童・生徒の学校適応および価値意識の形成に与える影響について研究することを目的とし、子どもの発達態様(学校適応、学力、自尊感情および、職業観などの価値観の形成)に、家庭の文化的環境、家族関係、学校教育がどのような影響を与えているかを検討した。関東地方のA市内に住む小学3年生、6年生、中学3年生、高校3年生それぞれ約1000名およびその保護者を対象に以下の調査を実施した。(1)児童、生徒調査(質問紙による集団自計式)の調査内容は:学校生活の状況、学校適応、家庭生活の状況、学習行動、学習意識、進路意識、自尊感情など。(2)保護者調査 上記対象者の父親または母親(家庭的背景、しつけ、文化的環境、教育期待、など)。 その結果、児童生徒調査からは学校適応に関して、社会性因子、逸脱因子、引きこもり因子、学校好き因子などが抽出され、「小さい頃家の人によく本を読んでもらった」「家の人に博物館や美術館に連れて行ってもらったことがある」のような家庭環境は、高校生の段階まで影響し、児童・生徒の社会性や学校好き因子と影響をしていることが明らかとなった。また、「家庭の雰囲気」を暖かく感じている場合には、学校好きと強く関連することが明らかとなった。「ほぼ毎日勉強しなさいといわれる」などの項目は学校適応を悪くしていた。引きこもり傾向や社会性の低下、逸脱行動は総じて家庭環境の影響ではなく、現在の学校の成績評価との関係が示された。ただしこの場合学校の成績評価は本来の自分の実力とは異なると考えている高校生が多いことも明らかとなった。また、家庭環境が良好である場合、生徒の学習意欲や関心を高めており、学習意欲は将来の職業へのポジティブな意欲と関連が見られた。学校適応と職業意欲とは直接関連せず、むしろ家庭環境が職業意欲も育てていることが明らかとなったことは興味深い。また、保護者と児童・生徒をマッチングさせた分析からは、親の意識よりも子どもの方が、家庭の雰囲気をより良好と感じているという傾向が見られた。
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