研究課題/領域番号 |
16300235
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
畑江 敬子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (50156337)
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研究分担者 |
香西 みどり お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (10262354)
福田 靖子 名古屋女子大学, 生活科学部, 教授 (40141444)
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キーワード | DPPHラジカル消去活性 / ORAC価 / スルメイカ / ブラックタイガー / ワイン / レモン汁 |
研究概要 |
近年ラジカルを消去する食品に関する研究は多いが、我が国で摂取量の多いイカ、タコおよびエビ類に関する研究はほとんど見られない。そこで、介類のエキス成分のラジカル消去活性の有無および加熱による変化ならびに副素材の影響について検討した。試料として、スルメイカ、ミズダコ、マダコ、シバエビ、アマエビ、ボタンエビ、ブラックタイガー、クルマエビ、を用い、実験日の朝、築地の中央卸売市場で新鮮な物を入手した。これらをエタノールで除タンパクして酵素を失活させた後水抽出して生肉エキスとした。一般的なラジカル消去活性はDPPH法で、OH・ラジカルの消去活性はORAC法で評価した。DPPHラジカル消去活性はブラックタイガーとスルメイカに高かった。ORAC価はミズダコ、マダコ、ブラックタイガー、スルメイカに高かった。これらの値は報告されているハーブ類の約1/100程度であった。シバエビ、アマエビ、クルマエビ、ボタンエビはこれらの2/3から1/2程度であった。これらを加熱し水抽出して加熱エキスを調製した。加熱時のドリップについても回収してラジカル消去活性を測定した。加熱するとDPPHラジカル消去活性はいずれも1.1〜1.8倍に増加した。ORAC価はエビ類は増加したが、イカ、タコでは減少した。このように、介類のラジカル消去活性はハーブ類に比べると小さいが、一度に食べる量や、生でも加熱しても食べることを考えると、ある程度効果は期待できると考えられる。さらに、活性の強かったブラックタイガーを用いて副素材、ハーブ類、レモン汁、ワインなどが共存するときのブラックタイガーのラジカル消去活性を現在検討中である。
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