研究課題/領域番号 |
16300236
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
的場 輝佳 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70202158)
山口 智子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (70324960)
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キーワード | ラジカル捕捉活性 / フリーラジカル / 機能性成分 / 3次機能 / 食べ合わせ / 機能性献立 / 食素材 / 食事献立 |
研究概要 |
食物には、従来から知られている栄養成分以外に、老化・ガン・生活習慣病などを予防する新しい機能(三次機能)を持つ成分が含まれる。中でも、フリーラジカルを捕捉する機能性成分が、健康の維持に重要な役割を果たしている。しかし、人間は、これらの機能性成分を個々の成分として単独で食するわけではなく、また、必ずしう生のまま食するわけでもない。しかし、食物中に存在する機能性成分が、他の食品成分との相互作用や調理・加工過程における変化により、実際の食事でどの程度、有効に摂取できるのかについては明らかではない。本研究は、実際の食事献立において、それらに含まれる機能性成分のうち、フリーラジカルを捕捉する「ラジカル捕捉活性」に焦点を絞り、これらが、他の食品成分との相互作用や調理加工過程において、どのように変化し、その結果、実際にどの程度有効に食することができるかを明らかにすることにより、より効率よく機能性成分を摂取できる「機能性献立」を設計することを目的として研究を遂行した。 平成16〜17年度で得られたラジカル捕捉活性成分相互間、活性成分と他の食品成分、食素材同士の組み合わせ(食べ合わせ)に関する基礎データを基に、本年度は、生野菜および加熱野菜のラジカル捕捉活性に対する咀嚼の影響を調べたところ、ナス、ピーマン、ブロッコリー、レタスでは、咀嚼により生野菜のラジカル捕捉活性が減少した。しかし、加熱野菜においては、ラジカル捕捉活性は保持されていた。これは、加熱によって酸化酵素が失活したため、咀嚼時に酸化酵素が作用することによるポリフェノールやアスコルビン酸の減少が抑制されたためであった。このことから、機能性献立のベースとして、生野菜ではなく、加熱野菜を用いることが、ラジカル捕捉活性と活性成分の損失を抑え、これらを有効に摂取する上で好ましいことが明らかになった。
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