研究課題/領域番号 |
16300236
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 関西福祉科学大学 (2006) 奈良女子大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
的場 輝佳 関西福祉科学大学, 健康福祉学部, 教授 (10027196)
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研究分担者 |
高村 仁知 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (70202158)
山口 智子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (70324960)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 機能性成分 / 抗酸化性 / ラジカル捕捉活性 / 献立 / 加熱 / 調理 / 野菜 |
研究概要 |
食物には、従来から知られている栄養成分以外に、老化・ガン・生活習慣病などを予防する新しい機能(三次機能)を持つ成分が含まれる。本研究では、実際の食事献立において、それらに含まれる機能性成分のうち、ラジカル捕捉活性が、調理加工過程においてどのように変化し、実際にどの程度有効に食することができるかを明らかにすることにより、より効率よく機能性成分を摂取できる「機能性献立」を設計することを目的として研究を遂行した。 献立としてミネストローネと味噌汁の2種類の汁物料理を取り上げ、野菜類のラジカル捕捉活性に対する加熱調理の影響について検討した。加熱調理により、具に残るラジカル捕捉活性は大きく減少し、ラジカル捕捉活性の-部は汁に移行していた。添加する調味料の影響を調べたところ、ミネストローネ調理においては調味料の添加による顕著な影響は見られなかったが、味噌汁調理においては味噌の添加により、ポリフェノールの汁への流出が抑えられた。以上の結果から、汁物料理において、野菜の活性成分は汁に流出するが、ラジカル捕捉活性自体は熱に安定であると考えられる。また、味噌のように調味料自体に抗酸化成分が含まれるものは、野菜と共に調理し摂取することでその成分の有効性も期待できる。 さらに、生野菜および加熱野菜のラジカル捕捉活性に対する咀嚼の影響を調べたところ、ナス、ピーマン、ブロッコリー、レタスでは、咀嚼により生野菜のラジカル捕捉活性が減少したが、加熱野菜においては、ラジカル捕捉活性が保持されていた。これは、加熱によって酸化酵素が失活したため、咀嚼時に酸化酵素が作用することによるポリフェノールやアスコルビン酸の減少が抑制されたためと考えられる。従って、機能性献立のベースとして生野菜ではなく、加熱野菜を用いることが、ラジカル捕捉活性と活性成分の損失を抑え、これらを有効に摂取する上で好ましいことが明らかになった。
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