研究課題/領域番号 |
16300240
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
川上 正舒 自治医科大学, 医学部, 教授 (40161286)
黒木 昌寿 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90215096)
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キーワード | アスタキサンチン / セサミン / 糖尿病 / メイラード反応 |
研究概要 |
糖尿病合併症の発症には、高血糖状態に伴うタンパク質の糖化反応および過酸化反応が深く関与していることが良く知られている。我々はこれまでに、鮭・甲殻類などに含有しているアスタキサンチンを飼料に100ppm添加した条件で糖尿病ラットの糖尿病性白内障を効果的に抑制することを明らかにしてきた。そこで今回は、セサミンによるアスタキサンチンの節約効果を知るためにアスタキサンチン量を極端に少なくし、糖尿病合併症の抑制効果について検討した。その方法としては、Wistar系雄ラット(体重約260g)にSTZ(50mg/kg体重)を投与して糖尿病ラットを作成し、(1)対照群(C群)、(2)5または100ppmアスタキサンチン投与群(A群)、(3)5ppmアスタキサンチン+0.2%セサミン投与群(AS群)に分け、約3ヶ月間飼育した。その間、ラットの体重、飼料摂取量、尿量、糖尿病性白内障進行状況を観察し、解剖後は血糖値、糖化ヘモグロビン、過酸化脂質等の生化学的検査を行った。その結果、対照群との比較において、アスタキサンチンにセサミンが添加されたAS群では、次の結果が得られた。1)腎臓中の過酸化脂質を有意に抑制し、血清も抑制に有効な傾向がみられた。2)血中中性脂肪を有意に抑制した。3)糖尿病性白内障の発症・進行の抑制に有効な傾向が認められた。また、アスタキサンチンのみのA群においても腎臓の過酸化脂質、血中中性脂肪を抑制する傾向がみられた。以上の結果から、アスタキサンチンおよびセサミンの併用は、糖尿病ラットにおける生体内の過酸化反応を抑制し、糖尿病合併症の抑制に有効であることが示唆された。
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