研究課題/領域番号 |
16300245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小笠原 正明 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60001343)
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研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 助教授 (00157025)
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 函館校, 教授 (30142764)
西森 敏之 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (50004487)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40142682)
栃内 新 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20111148)
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キーワード | 理科離れ / 大学の初習理科 / 入門物理 / 2006年問題 / デモンストレーション実験 / eラーニング / 教育評価 / 授業評価 |
研究概要 |
大学の理系基礎科目は、中学・高校における理科離れや学力低下の問題に直面して、いま構造的な改革を迫られている。大学の物理学、化学、生物学について、初習のレベルから専門のレベルまで数段階に階層化して、学生の履修目的と習熟度に合わせて開講する教育システムの構築に向けて、以下の4項目に重点を置いて、実践的な研究を行った。 1)パイロット授業の開講 2004年度から初習理科のパイロット授業として、「基礎物理学」、「基礎化学」、「基礎生物学」の3つの授業を開講した。それぞれの授業に23名の教員と数名のティーチングアシスタントを配置し、通常の講義のほかにデモ実験およびグループ討論を組み合わせた新しい授業の形式を採用した。 2)教科書の編集 「基礎物理学」のパイロット授業のために、高校において物理学を履修してこなかった学生でも理解が可能な教科書「大学の物理入門」を編集刊行した。 3)eラーニングのコンテンツの開発 新しい形式の授業を全体として有効に機能させるために、分担者の細川が開発した授業支援型のeラーニングを「基礎物理学」に導入し、授業の進行に合わせてそのコンテンツを制作した。また、クイズ、レポート、質問などを情報機器を通じて受講者全員が共有できる環境をつくった。 4)海外の動向の調査 初習理科の化学分野で、世界でもっとも進んでいると言われているカリフォルニア大学バークレー校に、基礎物理の担当者および社会学を専門とする研究分担者を派遣して調査を行った。また、デモンストレーション実験の原形である「ポピュラーサイエンス」に歴史と伝統を持つスコットランドおよびアイルランドの大学を訪問し、新しい教育法について情報を収集し、専門家と意見交換を行った。 以上のように初年度の研究は順調に進んでいる。教育評価モデルについては、平成17年度の初頭に集中して研究を行う予定である。
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