研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (30142764)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (40142682)
鈴木 久男 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20192619)
吉永 契一郎 東京農工大学, 大学教育センター, 助教授 (70313492)
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研究概要 |
学士課程における理系の基礎科目について,全体を標準化した上で,初習から専門まで数段階に分割し,コース分けして学生に提供するというグランドデザインのもとに,3年間にわたりこのテーマに取り組んできた。最終年度にあたる当該年度は,昨年度から引き続いて1)授業モデルの開発,2)TA研修の開発,3)海外の動向調査を進め,それぞれについて以下のような成果をあげた。 1.授業モデルの開発:初習理科の教育では比較的クラスサイズが大きくなることは避けられないが,優秀な教員と複数のティーチング・アシスタント(TA)および技術補助員を配置し,最新のeラーニングのテクノロジーを駆使すれば,水準の高い効果的な授業ができることを明らかにした。本研究で開発された授業モデルは,すでに北海道大学の全学教育で採用されている。 2.TAの研修:大学院の学生が大規模な講義の支援に参加した際に起こり得るさまざまなケースについて,聞き取り調査を含めたデータの集積を行った。その成果をTAの研修マニュアルとして完成させ,単行本として刊行した。 3.海外の動向調査:引き続き,カリフォルニア大学バークレー校の調査を行い,同校のTAの研修センターとの連携を深めながら,わが国の大学にふさわしい教育支援システムの内容を検討した。 本研究の前半部分は代表者の前任校である北海道大学の高等教育機能開発総合センターおよび同大学院理学研究科で行われたが,その成果は当該年度の7月に赴任先の東京農工大学で行われたシンポジウム「世界に通用する理系基礎科目」で公開された。さらに千葉大学および金沢大学のメンバーを加えて,大学教育学会に「学士課程における新しい理系専門基礎教育のあり方」研究会を組織し,同年10月に開催された同学会課題研究集会で公開討論を行った。 以上の研究成果をとりまとめ,20章224ページからなる報告書を完成させた。
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