研究課題/領域番号 |
16300245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 東京農工大学 (2006) 北海道大学 (2004-2005) |
研究代表者 |
小笠原 正明 東京農工大学, 大学教育センター, 教授 (60001343)
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研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (00157025)
宇田川 拓雄 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (30142764)
小野寺 彰 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (40142682)
鈴木 久男 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20192619)
吉永 契一郎 東京農工大学, 大学教育センター, 助教授 (70313492)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 物理学 / 初習物理学 / 評価 / 授業開発 / ティーチング・アシスタント / アクティブ・ラーニング / eラーニング / FD |
研究概要 |
日本の研究大学の学土課程における基礎的な自然科学分野の教育について、米国や英国の大学と直接比較を行い、その教育水準について研究した。同時に、入学者の学習歴や学力の多様化に対応した基礎教育の実現を目指して、モデル授業を行った。研究の成果は以下の4点に要約される。 第1に、カリキュラムの開発と教育の組織化について総括的な研究を行った。カリフオルニア大学バークレー校の入門化学の授業に刺激を受けて、カリキュラムの再構築と授業開発の意義を明らかにした。また、アメリカおよびイギリスにおける関連の授業に参加して調査を行った。 第2に、北海道大学の理学部が全学教育向けに開講している物理学および生物学の授業改善のプロジェクトに参加し、パイロット授業を行いその内容を分析した。これらはバークレーの授業をモデルとしているが、我が国の高等教育の特性に応じたさまざまな工夫がこらされており、本研究の最大の成果の一つである。 第3に、ティーチングアシスタント(TA)の制度と研修にかかわる研究成果とまとめた。北海道大学におけるTA研修を強化するとともに、TA制度についての調査および研修法を研究した。この成果は、「TA実践ガイドブック」(玉川大学出版)として既に刊行され、多くの大学で利用されている。 第4に、理系の基礎的な教育における成績評価および教育業績評価のモデルについて検討した。本研究では学生による授業評価に重点を置いて分析した。 結論として、わが国の大学の初習理科の教育技術の水準は、米国の1970年代の後半の段階に留まっている。日本の研究大学の初年次教育においても、"Sciences for all"という理念に沿った自然科学の授業を開発するべきである。その実現のために、1)教育のストラテジーを再検討すること、2)現代の学生に即した新しい授業スタイルを作ること、3)TA制度を本格的に運用しその研修を行うこと必要がある。
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