平成17年度は、 (1)各国のカリキュラムの分析 (2)数感覚の実態調査のための調査問題の開発 (3)調査問題の韓国語、中国語、英語への翻訳 などを計画していた。しかし、実際には新たにシンガポールを対象にすることを計画したために、シンガポールについての教育制度、カリキュラム、学力の実際などについての研究を中心的に行った。また、大韓民国についてのカリキュラム分析を進めた。 調査問題の開発については、数感覚の適用範囲として従来考えられていなかった確率や統計の分野における数感覚の働きの可能性について検討することになった。特に、平均や分散、分布などにおいて数感覚がどのような働きをするのかについて検討を加えた。 さらに、数感覚がテクノロジーを使用したときにどのような働きをするのかについても可能性を探ることとした。そこで、図形分野においては、昨年の動的平面幾何ソフトに加えて、動的立体幾何ソフトを購入して実際に使用することで検討を加えた。また、統計ソフトを使用したときの数感覚の働きについての検討することとした。そこで、Fathomという教育用の統計ソフト、また、その小学校用のソフトであるTinker Bellを購入して、検討を行った。 本年度は、当初の研究計画を大きく変更して、数感覚の新たな研究分野の可能性を探ることを中心に行った。 来年度は今年度の研究をもとに、 当初の目的である東アジア圏の数感覚の実態と育成に戻って研究を進める予定である。
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