研究分担者 |
長尾 篤志 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (00353392)
景山 三平 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (70033892)
楠岡 成雄 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (00114463)
中木 達幸 広島大学, 総合科学部, 教授 (50172284)
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研究概要 |
1.教育課程に新しい数学を導入する際の基準としての数学教育の目的に沿って離散数学の導入を検討した。人間形成的目的としては論理的思考力や表現力の育成,実用的目的としては数学的モデル化能力や現実問題の数学的問題解決能力の育成が挙げられた。文化的目的については,数学文化としての離散数学の発展の歴史を考察した。 2.離散数学を題材とした授業を高等学校において実践をしその評価のあり方を調べた。題材は,鳩の巣原理,離散グラフなどである。評価は,授業中の観察,適用問題のワークシートの分析,生徒の問題づくりの分析,質問紙調査による生徒の意識や態度の分析などで行なった。 3.離散数学を題材とした教科書の記述例をもとに,中学校・高等学校において授業実践をし,その結果をもとに教科書の記述のあり方を調べた。題材は,離散グラフで,必履修と選択の両者について検討した。 4.高等学校で指導する離散数学の指導目標・内容・用語に関してまとめた。離散数学を扱う科目としては,必履修科目,選択科目の両者に渡った。内容は,必履修科目の。「社会生活における数理的な考察」においては,離散グラフや鳩の巣原理など,選択科目の「集合と論理」においては,鳩の巣原理,二値化など,「離散グラフとその応用」においては,離散グラフとそのアルゴリズムや応用などである。 5.高等学校の数学教育関係者を対象にした「高等学校への離散数学を中心とした内容の導入」に関する意見調査を実施した。数学教育関係者は,高等学校への離散数学の導入に関して肯定的な意見であった。 6.離散数学を題材とした授業を含めて,高等学校の授業を改善する視点として,数学的活動を重視した授業,評価の観点を利用した評価の工夫,生徒の数学的活動の評価についてまとめた。 7.第3年次の成果をまとめて研究成果報告書『高等学校における離散数学を中心とした新たな教材の開発研究最終報告書』を刊行した。
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