研究課題/領域番号 |
16300269
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木下 徹 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (90177890)
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研究分担者 |
齋藤 洋典 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (40178504)
杉浦 正利 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (80216308)
大石 晴美 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 助教授 (50387479)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 脳科学 / 近赤外線 / 第2言語習得 / 応用言語学 / バイリンガル / 習熟度 / 印欧語族 |
研究概要 |
平成16年度は、主要装備としての赤外線分光装置の後継機種リリースにともなう機種の選定変更その他、種々の準備をすすめるとともに、諸般の事情により、当初の予定を有る程度変更し、対象を絞り込んで、伝統的臨界期を超えてから学習を始めた非対称型バイリンガル、もしくは、通常の正規外国語学習者の範疇に属すると思われる印欧語・非印欧語系の母語をもつ実験協力者約30人を、課題の種類、難易度、課題言語の種類等を変化させ、側頭部、前頭部を中心に測定し、データの収集を中心に行った。併せて、新しい可能性として、アイカメラによる視線移動追跡との同時計測も行った。 平成17年度も第一義的には、母語と対象言語の相違度、熟達度と課題困難度の相対関係、および、多言語習得の開始年齢等が、言語の情報処理に及ぼす影響を中心に実験・調査を行った。このうち、母語と対象言語の一致度については、対象がL2としての英語であるとき、母語が印欧語族と非印欧語族の場合で、聴解課題遂行時における血流変化の異なるパターンの存在に関する証左の一端を得た。また、既に平成15年度以前に関連するタイトルで科研(萌芽)でも一部確認した習熟度と脳血流の賦活の度合いの逆U字関係についてもそれを支持する追加的証左を得た。 平成18年度は、昨年度末から開始したマルティメディア教材を使用した、アイカメラによる視線軌跡時における、脳血流の同時計測と、学習者の課題に関する方略の関係の調査も行った。その結果、日本人上級ESL学習者の場合、方略と瞳孔径を含む視線軌跡、および、前頭の一部を中心とした脳血流の変化に、ある種の関連があることが示唆された。 その他、特に漢字を中心とした文字については、研究分担者の一人である齋藤が多様な視点から関連した研究を行い成果を上げた。また、研究協力者の梁は、漢字・および声調言語と左中・前頭回の働きに関する測定も行い一定の知見を得た。
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