研究分担者 |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
堀田 龍也 静岡大学, 情報学部, 助教授 (50247508)
中川 一史 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80322113)
木原 俊行 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40231287)
加藤 隆弘 金沢大学, 教育学部, 専任講師 (10324063)
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研究概要 |
本年度の研究の基盤として,2000年に行われたPISA国際学力比較調査における評価問題や,ベンジャミン・ブルームの学習目標体系,ハワード・ガードナーの多元的知能理論などを参考に,高次思考能力を学校教育の中でどのように定義づけるかの議論を行った。この演繹的定義はむしろ非生産的であり,基本を日本の学校現場で用いられている4つの評価観点,(1)関心・意欲・態度,(2)思考・判断,(3)技能・表現,(4)知識・理解,におくことが確認された。特に(2)については,ブルームの目標体系における認知的目標の高次レベルのものであると位置づけ,特にそこをターゲットにする授業の設計方法についてとりあげ,その都度,その授業で何を高次思考能力と想定しているかを記述していくアプローチをとることにした。 研究活動における2つの柱は,諸外国における思考能力育成のための方法を同定することと,国内における思考能力育成のための授業設計を記述することにおいた。前者に関しては,メルボルンにおける2つの学校(Carey Baptist Junior SchoolとApollo Parkways Primary School)において授業視察・インタビューし,そこで用いられている思考のツール(thinking tools)を用いた授業設計法についてまとめた。後者に関しては,熊本の3つの小学校と1つの中学校,岡山,金沢,富山,東京それぞれ1つずつの小学校の教師に,それぞれ教科を指定し,「考えさせる」授業の「考えること」を具体的に記述し,それをうながすはたらきかけやワークシートのありかたについて,記録をとった。さらに,授業の前後におけるプレ・ポストテストによって,自己概念や教科の好悪の変容を見た。
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