研究分担者 |
久保田 賢一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80268325)
堀田 龍也 独立行政法人メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (50247508)
中川 一史 金沢大学, 教育学部, 助教授 (80322113)
木原 俊行 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40231287)
加藤 隆弘 金沢大学, 教育学部, 専任講師 (10324063)
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研究概要 |
高次思考力の定義について整理した。その結果、ブルームの教育目標タキソノミーで言うところの,認知領域における「応用」「分析」「総合」「評価」を想定し,実際に授業の中で子どもに期待する「考える」活動とそれらを対応付けながら,具体的に研究対象とすることにした。その結果,小学校における主要教科である「国語」「算数」「理科」「社会」のそれぞれにおける「思考」の諸相を概ね10程度の「頭のはたらき(思考要素)」として抽出し,それぞれについて具体的にどのようなことが出来ることを期待しているかを明文化した。これを「思考ルーブリック」と呼ぶ。さらに,それを元にして,各教科の授業設計を行い,実証実験を行った。 実証実験では,具体的な授業の単元に即して「思考ルーブリック」を書き換える。これを「単元ルーブリック」と呼ぶ。さらに,ルーブリックは子どもと共有することによって成果を発揮するため,子どものわかる言葉に書き換える。これを「実践ルーブリック」という。このような手順を踏むことで,実際の単元において,どこで思考を期待し,どうやってそれを促すことができるかを考えた授業設計ができるようになる。 海外調査については、予定していたフィンランド視察は先方の都合により1年繰り下げ,アメリカで利用されているThinking Mapsを調査ターゲットとした。これは,思考を言語化するプロセスで,概念形成のための図式を用いる方法で,昨年度調査したオーストラリアのThinking Skillsとも類似している。この実際の授業における活用方法やその成果について,現地調査,文献調査を行い,次年度の日本における実証授業に組み込むことになった。
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