研究課題/領域番号 |
16300284
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藏田 伸雄 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (50303714)
|
研究分担者 |
石原 孝二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30291991)
新田 孝彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00113598)
柏葉 武秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (90322776)
調 麻佐志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00273061)
黒田 光太郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30161798)
|
キーワード | リスク論 / 技術者倫理 / 科学技術倫理 / 科学技術倫理教育 / リスクコミュニケーション / 科学技術社会論 / 予防原則 / リスクの受容 |
研究概要 |
本研究はリスク分析の使用における倫理を研究し、社会的公平性を組み込んだリスク論のモデルを提示することを目的としている。本年度は科学技術倫理の諸問題をリスク評価とリスクコミュニケーションの観点から分析した。 まずこの分野で近年議論の対象とされることの多い、予防原則の含意について研究会を開催し、その哲学的・倫理学的意味について検討し、予防原則の多面性について明らかにした。また保全生態学における順応的管理に予防原則的な観点を導入する可能性があることを明らかにした。次に各論的な問題に関する研究会を開催し、ヨーロッパにおけるリスク行政、企業におけるリスク管理、食品行政に関する議論を行った。さらにナノテクノロジーのリスクと、内分泌攪乱物質のリスクをとりあげ、それによって費用便益分析に基づくリスク論は、懸念を伴う科学技術を正当化するための手段として用いられることがあることを確認した。他に確率論とベイズ主義の哲学的含意に関する研究と、リスク下における合理的な意思決定に関する研究を行った。 また室蘭工大のスタッフと定期的に研究会を行い、技術者倫理教育に関する情報交換を行った。また藏田はバイオテクノロジーのリスクに関して、研究者、農家、流通関係者、バイオ関連企業、行政官などからヒアリングを行った。藏田は他にイギリスで先端医療技術のリスクが関わる倫理問題について情報収集を行った。また藏田は企業における技術者倫理研修、技術者倫理教育、コンセンサス会議の手法を用いた授業実践の試み等について、研究発表を行った。 研究分担者の石原は土木工学に関する倫理問題について調査を行った。また新田は技術者倫理教育における規範倫理学教育の可能性について検討し、調は大学教育における技術者倫理教育に関する調査を進め、黒田はナノテクノロジーの社会的意味について海外の資料の調査を行った。
|