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2004 年度 実績報告書

アルカリ性紙と酸性紙の接触変色機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16300287
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京芸術大学

研究代表者

稲葉 政満  東京芸術大学, 美術研究科, 助教授 (50135183)

研究分担者 桐野 文良  東京芸術大学, 美術研究科, 助教授 (10334484)
キーワード酸性紙 / アルカリ性紙 / 中性紙 / 変色 / 挿入法 / 促進劣化試験
研究概要

実際の紙資料の保存状態に近い試験方法である挿入法を提案した。この方法により、アルカリ性紙と酸性紙が接触すると大きな変色を生じることがあること、市販されている一部の「中性紙」はアルカリ性紙に対して「酸性紙」と類似の変色を起こすことを示した。この予備研究結果は、アルカリ性紙(いわゆる中性紙)を用いれば良しとした従来の考え方を覆すものであり、紙資料保存の現場で深刻に受け止められている。
実際の変色例は酸性紙同士よりも酸性紙とアルカリ性紙の接触で変色が大きくなることを既に示した。しかし、綴じられている箇所の変色は小さかった。これまでの研究で、酸性紙とアルカリ性紙の両者を重ねて促進劣化させる挿入試験では、変色は40%RHから80%RHの湿度範囲では湿度上昇に伴って上昇した。一方、95%RHで圧力をかけた場合には変色が抑えられた。この現象を明らかにするために紙のpH変化、アルカリ性紙に含まれるCaイオン量を測定したところ、95%RHではアルカリ性紙から酸性紙にCaイオンが転移して、酸性紙が中和され、変色が抑えられたことが明らかとなった。
酸性紙とアルカリ性紙の間にスリットの入ったフィルムを挟んで互いに直に接触させないで劣化試験を行ったところ、両紙とも単独での場合よりも大きく変色したことから、変色に関与する物質の一部は揮発性であることも明らかにした。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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