研究課題/領域番号 |
16300291
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田林 明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70092525)
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研究分担者 |
斎藤 功 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90006586)
呉羽 正昭 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50263918)
松井 圭介 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (60302353)
仁平 尊明 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (60344868)
菊地 俊夫 首都大学, 東京・都市環境学部, 准教授 (50169827)
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キーワード | 農業 / 日本 / 専業農家 / 農業生産法人 / 集落営農 / 農業サービス事業体 / 農村コミュニティ / 農業の多面的機能 |
研究概要 |
本研究では日本農業はこれまでどのような担い手によって継続されてきており、現在どうなっているのか、その地域差はいかなるものなのか、さらに農業の担い手はどのような形で農村コミュニティを支えてきたかを分析することによって、今後の農業維持システムと地域農業資源の維持管理の可能性を解明することを目的とする。そのために、昨年に引き続いて、日本全体を対象とした統計的分析を、2000年農業センサスや農業所得統計などを用いて森本と仁平が行った。さらに、それぞれ日本の地方を分担して、現地調査を行った。田林は新潟県頸城平野と埼玉県川越市、千葉県九十九里平野で、斎藤は茨城県猿島町と長野県松本盆地で、森本は中国山地と神奈川県横浜市で、呉羽は愛媛県内子町と長野県松本盆地と新潟県十日町盆地で、松井は秋田県大潟村と長崎県五島列島で、仁平は千葉県一宮町で、菊地は千葉県富里町と東京都八王子市、滋賀県長浜市において現地調査を実施した。また、斎藤と田林と松井は、カリフォルニアにおいて、呉羽はオーストリアにおいて、菊地はオーストラリアにおいて農業維持の先進事例について調査し、日本農業の維持システムの方向性をみいだす手がかりを得た。 これらの研究・調査結果から日本農業の担い手として(1)通常の農家(兼業農家など)、(2)専業的農家、(3)集落営農や地域農業、(4)企業的経営と農業生産法人、(5)農業サービス事業体があることがわかったが、特に専業的農家と企業的経営と農業生産法人、農業サービス事業体の3つが重要である。さらに、農業の場である農村の存続には(1)農村コミュニティの活性化と(2)地域農業資源の維持管理が不可欠であることがわかった。次年度はこれまでの調査と全体的な統計と文献の分析結果をまとめるとともに、日本農業維持システムの具体的な方策を提示したい。
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